ブリットポップ・ラブレター(仏英)

頭を飾るデカくてゴツい黒のヘッドフォンが、俺の金髪より茶色がかった毛色によく似合う。

イギリスはよく音楽を聞く。
紳士だなんて言うが、あれは嘘だ。反抗精神でまくった音楽や何かに向かって尖った服も、隠してはいるが、かなり好きなのを俺は知っている。
しかし勿論、ロックも好きだ。

「何聞いてんだ?」
「90年代のブリットポップ」
「へぇ」

思わず興味の無さそうな返事をしてしまったが、イギリスは気にしていないようだった。テーブルに転がったディスクケースに書かれた題名を見て、自分でさえ聞いたことがあるのに気がつく。
あぁ、お前とならば…永遠でさえ生きていけるってやつか? ふうん、と思う指先でジョークと曲との引用まじりに、イギリスに向かってにやりと笑った。

「イギリス、お前となら、永遠に生きてやってもいいぞ」
「ばーか、何言ってんだよ」

照れたようにイギリスは、ジョークの一つとして笑った。しかしこれは彼なりの当たり前だという肯定だろう。

その笑顔に見惚れたというのは、この先の未来を永遠を過ごすとしても、イギリスには絶対秘密だ。
ブリットポップにのせた愛情にお前は気付いただろうか。