仲良きことは(仏英)

会議は迷走しつつあった。

そう書き出すと、出席している皆さんが支離滅裂で勝手なことを言う、会議は踊るの状態のようにとられるかもしれないので、きちんと説明しようと思います。
まぁ、間違ってはいませんが。

かと言って、別段いつもと変わらないんですが。ドイツさんはイタリア君の世話役。そして今回もあの2人は喧嘩しています。
飽きないものですね。
違うと言えば、アメリカさんが何かを食べていないくらい。
私がぼんやりと現状の説明を勤しんでいると、そのアメリカさんが、あのお二人の犬も喰わない痴話喧嘩にしびれをきらして喰いついた。アメリカさん、KYってヤツですよ。

「君たちは本当に、仲が悪いな!」

みんなが知っていることを、面と向かって叫んだ。勿論、当たり前だ、と両国から叫び返される。

「日本、君も思うだろ?」

それでも喧嘩が収まらないことに、流石のアメリカさんも収まりどころが悪いからなのか、荒々しく座った横の私に同意を求めた。

「どうなんでしょうかね」

何気ない会話の隅には、相手への愛が詰まってる。そう思ってしまうのは、希望的観測なのでしょうか?

「後はイギリスさんかフランスさんのどちらかの次第、じゃないですか?」
「日本、君って意外と――」

「それは秘密です」