ほんとにお前と付き合ってもなんも良いことがない。
まず、お前の兄貴分の眉毛野郎が毎日殴ってくるのを止めてくれ。それににお兄さんがお前を独占してるんじゃなくて、むしろそう逆。逆なんだけど。
あとお前、帰ってくるのは遅いし、どんな時間だろうが飯ねだるし、それで作ってやって褒められても、お前の基準ハンバーガーだから嬉しくないし。いつも風呂は出るの早すぎるし、猪突猛進だし、若いからテクはないけど毎日毎晩元気だし。人の明日の予定は無視だし。
あと、俺より先に寝るな。
(お前寝つき難いんじゃないのか)
ほんとにお前と付き合ってもなんも良いことがない。
「おい、アメリカ」
「なんだいフランス」
「お兄さん、お前と付き合ってもなんも良いことがないんだけど」
そう言うと、アメリカはにやりと笑ってこう言った。
「そんなの簡単じゃないか。要は君が俺を愛せば済む話だろ」
……ほんとにお前と付き合ってもなんも良いことがない。