アガペー、エロス、ストルゲー、フィリアの全てを捧ぐ(希土)

トルコとの関係はロゴスでは表すことは不可能だ。偉大なる先人やそれから派生したり受け継がれて世界にある、いかなる言葉や論理もそうとなっては無意味に等しい。彼は家族のようなものでもあるし、敵でもあり友人のようでもある。そして相手に価値を求めそれを認めようとする感情も芽生えている。
昨日たどり着いたそれらの結論により、どの立場と感情を持って自分があるべきかをぐるぐるぐるぐると考えては最初に戻るを目まぐるしく繰り返していた。

遺跡の側で寝転がるのは気持ちが良いもので、いつもの自分だったならすぐに遠い昔の夢を見れただろう。しかし考えがまとまらず、寝覚めも寝つきもすこぶる悪い。それで日がな一日中、早く自分の中での答えを見つけて『ユリイカ!ユリイカ!』と叫ぶことだけを考えていた。風呂に入ってみても決して答えが出ることはなかったが。
要するに、全ての感情が自分とトルコとの関係を構成する要素であり、一つだけを選ぶことや一つでも欠けることがあると成立しなかった。

「めんどくさい…」

腹の上にネコが寝そべっているせいか、なんだか胸が苦しい。トルコために睡眠時間を削るのももったいない。
もういいやと目を閉じて思考を投げ出していると、ネコが威嚇の声をあげてさっと逃げ出した。
誰が来たのか、すぐにわかった。

「おい、ガキが眉根寄せて考え込んでんじゃねぇよ」

目をゆっくり開けると、仮面の奥からの視線とぶつかる。

「……うるさい…バカトルコ」

ふん、とだけ返事が返ってくる。トルコのことだ。俺の悩みや思索中のことには気づかないし考えてもみないだろう。なんでこんな男のために自分は何時間も悩んだんだろうとも思う。が、答えは一番シンプルだった。