T. S. Eliot – The Waste Lan

エリオットの”The Waste Land”。エリオットの支援者でもあり友人でもあるパウンドがこの詩にかなりアドバアイスを寄せていているとかで、もともとのドラフトからはかなり変化してて、合作のようなものとも考えられるかも……っておいおい。
さまだらない語り手、場所、時間。Allusionの多用。英語以外の言語の使用。最初は脚注と本文行ったり来たりで、短い詩なのに読むのにすごく時間がかかる。象徴として捉えるのも大変。
ネ イティブの子でも読んでて混乱したそうな。そこで、Youtubeで英語話者の人が朗読してる動画を聞くのがオススメかも。エリオット本人の肉声のビデオ もあるYoutubeは本当にすごい。数行読んでるだけで頭がおかしくなりそうになるME作品の朗読も結構上がってるから、本片手に流すと強制的に目を通 さなくちゃならなくなるのですごく楽。カンタベリー物語では非常にお世話になっております。
とまあ、ザーッと読んでるうちにだんだん慣れ てきて、「この詩はなんだかすごいものらしいぞ」と詩分析初心者のわたしでも思えてくるのがすごい。まあ、出だしの”April is the cruellest month”で始まる連からして、すごく引き込まれるんだけど。 とにかく、こういった混沌とした構造やテクが”waste”な状況を象徴している。性的 なものを匂わす箇所などにWW1後の崩壊したアイデンティティや価値観が垣間見える。この詩のタイトルの「land」は荒れ果てた心のことをいってるん じゃないかな、と読んでいて感じた。
(断っておくと、わたしは英米文学専攻でありながら詩を精読して分析する、というのは初心者。留学来てから「やらなあかんよな」と始めてすでに詰んだ。教授はすごく素敵だけど、実力から考えたら取らなきゃよかった!……のかも) 
エ リオットは、English man in NYならぬAmerican in Britain。(アメリカでは”genteel tradition”の中で育ったらしいですが。)このエリオットで面白いのが、私がアメリカ文学史で読んでる”The Norton Anthology American Literature Shoter 8th Edition Vol.2″にも、日本の大学での講義で教授がたまに使ってた”The Routledge History of Literature in English – Britain and Ireland”にも載ってるところです。えっと、確かにアメリカ人だけど、英国人でも……う~む。これがよく教授が言ってる「英語で書かれたものは全て English Literatureとして取り入れちゃう英国のしたたかさ」ってやつなのだろうか。 
*他ブログの閉鎖を機に細々書いていたものの転載*