確認癖(サン音) - 2/8

「で、言われたとおり、コアダンプ吐いて来たってぇのか?」

 顔を見合わせた途端、スカイワープがからかうような口調で問いかけて来る。データ処理を強いられて疲れた俺を見てスカイワープの口角がぐっと上がった。
 誰も見ていないと思っていたが、あの場面をちょうど目撃されていたらしい。あの抜け目ないサウンドウェーブのことだ。スカイワープに関しては俺とあいつの関係を知っているから、聞かれても問題ないと判断したのだろう。
 こいつが面白がって絡んでくるのが自分じゃないと知ってるからな。
 そう思うのにはそれなりの理由がある。サウンドウェーブがスカイワープやスタースクリームの前では特に注意を払っていない気がするのだ。確かに、以前サウンドウェーブは俺に所属部隊と確執を作るべきじゃないと言っていたが、情報開示したからといって何かが変わるようには俺には思えなかった。
 しかたなく俺がそうだともそもそと返事をすると、案の定スカイワープはわけがわからねえと笑い声を上げた。

「そう笑うなよ」

 もし俺があの場で拒否したところで、あいつにいつかは結局は根負けしていたか、無理やり吐かされたかのどちらかだ。
 そう告げると、スカイワープもようやく笑いを引っ込める。その代わり、呆れ返ったような表情を浮かべて俺を見てきた。

「まったく、おめえもよくあんな陰険野郎とつるんでいられるもんだぜ。自分のコアダンプを保存されてあいつに何に使われるかなんて分かったもんじゃねえや」
「保存して持っとくだけだって言ってたし、それくらいじゃどうってことねえよ。お前に――」

 思わず言い返しかけて言葉をのんだ。俺自身の急に荒ぶった声の響きと、それに続いたであろう本心に自分でも驚く。
 お前にサウンドウェーブの何が分かる。俺はそう言いかけたのか?だとしたら、お笑い種だ。さっきまでてめえでやっこさんの頭ん中が覗けない、何を考えているのか分からねえ、とくよくよしていたというのに。
 俺が何に腹を立てたのかスカイワープは気づかなかった様子で、単純にからかったことを気にしたと思ったらしい。俺が黙って考え込んでいるうちにからかうのをやめ、話題をサウンドウェーブ自体にずらした。

「まあ、あの鉄面皮にあんな情緒があったのかと思えば、感動もんではあるけどよ」
「情緒?」

 さきほどの馬鹿にする雰囲気をと打って変わり、感慨深げなスカイワープに思わず聞き返す。

「形は何であれ、おめえのなんかが欲しかったってことだろ、ありゃあ」