SS詰め(仏英) - 1/14

ティースプーン

う、声に鳴らないあほみたいな唸りが自分から聞こえた。
ほらまただ。
俺の世界と思考は常に、ティースプーンでかき混ぜられる紅茶のようにぐるぐると廻っている。紅茶のスプーンにしてはフランスは近すぎる存在だが、視線が絡む度に世界が揺れる。
今ではほとんど、あいつんちの物にされてる浮っついたあの歌のようだ。

愛するお前と俺のため。

クサい詩が一番馬鹿みたいだが、そう口ずさんだ歌で赤くなったことこそ一番馬鹿らしかった。

2009/5/20