7BV:SSまとめ - 2/3

レナ

血が流れすぎた。熱がさっとひいていく頭に、フレディの横たわる灯火堂の冷たい灯りが浮かぶ。
言葉を届けたい。それだけの為に重い体を動かす。フレディ、聞いて。私やれたの。あなたのおかげよフレディ。ありがとうって伝えたい。

「…フレディ、もう全部、全部終わったんだよ」

私よりも小さな背丈。こんな小さな体で私を庇って守ってくれた。私はこんなに幼い手に縋ってしまったんだ。おとぎ話の王子様のように守ってくれたフレディはもう動かない。でも、戦う必要はなくなったよ。私が生きるように、前に進むように背中を押してくれてありがとう。

妙に冷静に自分が死にかけているのが受け入れられる。
優しくて勇敢なフレディでさえ死ぬのが怖いって言っていた。臆病な私なら、もっと怖いんだろう。死ぬのなら、私はあなたの側で死にたい。
リズ、マシュー、アーウィン、大切な人が微笑んでくれている。

フレディ、おやすみなさい。

私さえ眠れば、悪夢は本当に終わる。
絶えず流れ出て行く私の血の海の中で、私はひどく眠かった。

2010/12/5