スローダンス(仏英) - 6/6

カッコ悪過ぎる。
どちらが負けるのか、などという変なところが俺は嫌な意味で大人で。
自己嫌悪。

赤い紅茶のブランケットにもぐれば、当たり前のことだが、目の前は紅茶色になるわけだ。しかし、今の俺には滲んで、白でぼかしたように不鮮明だった。

駆け引きは、俺達を焦らせるだけ。

長い長いそれの、その付かず離れずに歩み寄るゆっくりしたステップは、スロウダンスにもよく似ていた。

次にあいつと会う時は、また歩み寄って来た時は、その腕を引っ張って、駆け引きからずれた俺の方にあいつごと引っ張って二人だけのワルツに変えてやる。
俺の焦れた足どりは、少しずつみんな狂わせて。あいつが他の奴と踊る中、少しずつ輪から外れて行く。

スロウダンスもやがては終わる。
ダンスの輪は回り、やっと最初のパートナーまで辿りついたら。