荒い排気音が交差する最中、サウンドウェーブ、と名前を呼ぶ俺の情けない声が響く。
青と白の機体は、頭を振るが肯定とも否定ともとれない。許可が降りたのかは分からないが、そろそろ俺の方の我慢が利かなくなってきていた。
中で指を曲げると指先に当たっていたところも、もうほぐれてしまっている。これなら大丈夫だとは思うが――密着させてゆっくり沈めると、狭いナカが先端の形にぴったり沿って広がるのが分かる。
とりあえずは、下手に入れて入口が壊れるようなことが無くてよかった。もしこの時点でなにか傷つけるようなことがあったら、しばらくどころかこの先サウンドウェーブが接続を許さないなんてことがないとは限らない。
動いても、平気か?
かといって、いきなり全部を入れて揺さぶるわけにはいかない。これでも我慢強いほうだという自負があったのだが、俺の欲も限界が近かった。
「おい、大丈夫か?」
コネクタを半分までそこに収めて様子を伺うが、サウンドウェーブの喉からは唸るような音しか聞こえない。それでもなにかを伝えたいようで、唇の端につばきを滴らせながら音声を発しようと口を動かしている。
「良いか悪いかだけでも言ってくれないか?」
「……イ、」
やっとのことで、というように発声する。
そこからのサウンドウェーブの動きは尋常じゃなく速かった。
「――――痛イ!コノ、ド下手クソガ!!」
覗き込んでいた俺の頭をアッパーカットすると、自力でずるずると俺の下から這い出でようとする。
クリティカルヒットした拳に朦朧とする中、今までで聞いた中で一番情けないサウンドウェーブの声が聞こえた気がした。
「オイ、ソノ……早ク抜いてクレ」