恋の毒薬・8

「ラチェット君も、すまんね」
リペア台へ向かいながら、横の機体におずおずと話しかけると、呆れを含んだような声で答えが返ってきた。
「流石に慣れたよ……」
怪我をした時の有無を言わせないところと、結局は吾輩にこう言ってくれる彼の優しさにホッとする。
そうして、ラチェット君はいつもの言葉をつないだ。
「君が壊しても、私が治せばいい」
彼自身は気づいていないのかもしれないが、むすっとはしながらもこういう時に少しだけ照れ臭そうにする。それにいつもつられて吾輩までもが照れくさくなる。
こういう信頼がひどく嬉しく、ラチェット君を好ましく思う。
……やはり、この間の最近吾輩のブレインを占拠しているあの測定結果は友情という意味でしかなかったんじゃないか?
ラチェット君がわずかに笑ったような気がして、そう思い直した。
確かに数値は特別な『好き』、恋愛感情という結果を叩き出していたが、友情だって『好き』には違いない。この穏やかな関係性は恋愛には程遠いのではないだろうか。
そういえば、自分のことで頭がいっぱいになっていたが、ラチェット君もわずかではあるが吾輩のものに似た数値が出ていた。トランスフォーマーにおける機体差というものは十人十色で千差万別だ。たまたま、友情と愛情の結果に近似した結果が出る機体が吾輩だったというだけだったのだろう。納得のいかない結果を出したらしいラチェット君という身近な臨床例がいるせいで、この仮説はかなり信憑性があるような気がする。
ふむ、他の機体にも差が出るか調べてみるも面白いかもしれない。さすれば、全ての機体に効果があるような『ナニカ』が作れるかも。
そんなことを短い時間の中で考えていると、ラチェット君はそこで急に難しい顔になった。その表情を見て、見抜かれたのかとギクリとする。
だが、身構えた吾輩とは違い、続いたのはとても思慮深い言葉だった。
「ただ、頼むから私が治せないような怪我はしてくれるなよ?」
ポツリ、とこぼすように吾輩に念を押してくる。
こんな言葉をかけられるのは初めてだった。
「君ほどの医者がどうしたんだね」
突然の言葉に思わず驚きを隠せずにそう言った後、しまったとブレインが急停止する。
これは、この言葉は、この間のやりとりの続きなんじゃないか?
怪我をするな、危ないことをするなと釘を刺されたというのに、すぐにこの失態だ。今まで許されていたことだけれど、今までの積み重ねがあるからこそこんな言葉を言わせているのではないだろうか。
取り繕うようにおちゃらけた言い訳を追加する。
「しかし、吾輩としては『毒にもなるが薬にもなる』なら、毒も試さずにはいられない性分なんだけどね」
もう一声何か言おうとするが、その前にリペア台に辿り着いてしまう。
促された台の上から見るラチェット君はいつもの様子に戻っていた。
「毒の飲み方を知らないと、いつか身を滅ぼすぞ」
厳しい声音で鋭い言葉を投げられる。
やっといつもの調子だ。今日はいつもと同じなのに、何かが違うようで、普段のようなやりとりがこんなに安心するのかと驚く。
「へへ、相変わらずきっついなあしかし。でも、流石に医者が言うと重みがちがうねえ」
冗談っぽく返すと、ラチェット君は小さく笑った。
「よく言うよ」
落ち着いたところで、吾輩の手を検査するラチェット君を盗み見るように観察する。そして、
――本当に、いい医者やな
と、しみじみ思う。彼は言葉や態度ではきついけれど、行動はやはり患者のことを思ってなされている。吾輩が腕や腕に関わるパーツを怪我した時の彼の治療や検査の熱心さは繊細な作業も必要とする科学者としてはありがたい限りだ。
『頼むから私が治せないような怪我はしてくれるなよ?』
と、彼は先ほどこぼしたが、ラチェット君ほど医者としての技量と心持ちを持つものはセイバートロンにもひとりとしていない。吾輩はもちろん、あの司令官にも、他の機体にも信頼されているのだから、もっと自信を持ってもいいのにとも思う。
ラチェット君がどう思うかは別として、簡単に代替や取り換えが出来るモノは意外と少ないのだ。ましてラチェット君くらい優秀ならオンリーワンを名乗ってもいい。いや、でもそんなことを吾輩が言うのはお節介だろうけどねえ。
そこで思考が終わる。じっと手元で繰り返されている作業を見ていると、どうにも落ち着きすぎてしまう。ラチェット君に握られている手の機熱が安心感につながるからか、作業者が自分じゃないからか。
ブレインがぼんやりしてきたのを紛らわすように今抱えている試作品やら設計図を頭に巡らす。
ただいまのマイブームになりつつあるトランスフォーマーの心理や思考やらを生物学的な観点で科学の方に近寄らせたら面白いとは思う。例えば、三大欲求やら本能やらのブレインのプログラミングが機体の反応や特性、ブレインの感情などに強く影響されているのは先人たちの研究通りではあるが――
不意にその手がぎゅっと力強く握られた。
気づけば、ラチェット君に覗き込まれている。
先程までは怪我をした手の機能を入念にチェックしていた視線は、今は吾輩のオプティックを覗き込んでいる。何か悪い所見がないかの診察のような真面目さでじっと見つめられていると、なんだか責められているような気分になる。
まさか、吾輩の最近の『微妙』な感情がラチェット君にバレたのだろうか。ならば、早急に誤解は解かなければならない。
良い医師の条件は観察眼が鋭いこと。特にサイバトロンには怪我を隠したり無理をする機体もいる。それでもラチェット君から逃げるのは至難の技だ。
いや、とそこまで考えて否定する。もしそれに気づいていたとしたら、彼はもっとうまく『処置』するだろう。ということは――?
「……ラチェット君?」
恐る恐るその青い目を覗き返すと、ラチェット君は吾輩の手を握ったまま弾けるように身を反らした。
「あいててててて!」
捻り上げられて大声を上げると、ラチェット君が慌てて手を離す。
「すまない、ホイルジャック。考え事をしてたんでね」
「そうかね?てっきり難病の兆候でもあったのかとドキドキしちゃったよ」
「まさか」
否定の反応は速いが、ラチェット君にしてはやや心あらずといった調子の返答だ。てっきり手厳しい皮肉でも飛んでくると思ったが。
終わったよ、とだけ言ってリペアキットをしまい始めた彼の表情はリペア台の上からは伺えなかった。
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青を捉える・2(サン音)

水色の羽にブラスターガンを当てながら、この機体が俺の元に来た理由を思案する。恐らくは――
「いや、俺はメガトロン様に」
「護衛につけられたのか」
一番妥当な回答だ。
俺の『尻拭い』を秘密裏に成すのならばそれなりのレベルでの人員配置になる。スタースクリームが俺を保護する命令など受ける筈がない。比較的忠誠度の高いビルドロンやスタントロンでは数が多すぎる。だから万が一にそのような命令が下るとしたら、スカイワープかこいつ――サンダークラッカーが割り当てられるとは思っていた。
俺は念のためブラスターガンに充填していたエネルギーを消費するため、その経口の先を水色の羽から壁際で伸びている襲撃者へと滑らした。
目標がステイシスモードに入る音を確認しながら、襲われた弾みで周囲に散らされたリペアキットを回収し始める。
別にこの機体が来なくとも、同じ結果にはなっただろう。とは言え、あのお方が内憂するほどには俺の失態にひどく関心が集まっているらしい。
「なんですぐにリペアしなかったんです?」
水色の機体がおずおずと尋ねてくる。その足りない頭の中では
――あの逃亡から既に4メガサイクルは経っている。今まで何をしていたのか――
と疑問を抱いているようだった。
3.5メガサイクル前、デストロン臨時基地は新兵器の開発を察知したサイバトロンの襲撃にあい、激しい戦場と化した。原因は恐らくは兵器が発射時に発する高エネルギー波をテレトラン1に察知されたことであり、元を辿れば約2.75メガサイクル前の『不必要な使用』こそが引き金となっている。
とにかく、敵の猛攻によりデストロンの形勢は崩れ、俺はサイバトロンの通信員相手に撃ち合ううちに持ち場から引き剥がされた。その間に兵器はサイバトロンによって無理矢理にコアが解除されて暴走。壊れる直前に発射されたビームはその音に振り向きかけた俺の頭部に直撃した。コア解除後の威力であったため、損害状況はいくつかの回路とバイザーとマスク、胸部装甲のみに押しとどまった。しかし、その異常を来たしたいくつかの回路が問題ではあった。結果として、俺は退避行動を取らざるを得なかったのだが……
この機体のさきほどの問いに俺は答える義務はない。
しかし、答えないということは階級が自分より低い一兵士に冷静さを欠いているという事実を突きつけられているようで。しかたなく、俺はなんてことないふりをしてそれらしい返事をする。
「諜報データのバックアップと、基地内データの確認だ」
聞いておきながら、後ろでそいつが面食らったのが分かった。俺が答えないと思っているなら何故口に出すのか。
しかも、余計なお世話もいいところに、俺の心配をし始める。その情報を悪用するかもしれない相手に、そんなに簡単に言ってもいいのかと悶々とブレインの中でくだらないことを考えているのが、頭の中に流れ込んでくる。
いつもだったらさっさと締め出してブレインのデータからデリートするようなくだらない思考だ。
しかし外界とのフィルターであるマスクとバイザーが吹っ飛び、回路が焼けたことで少なくとも動揺している俺は、うまく自分自身にだけ集中することが出来ずに相手のブレインの電磁波を勝手に受け取ってしまう。
――頭のいいやつの考えることは分からねえ。護衛の任務とやらに守秘義務が無いとは限らないんだぜ?俺がそんなことをする度胸が皆無だとでも思われてんのか。それとも、嘘か。その両方か――
なんとも勝手なことを考えているのだろう。
そいつは黙っていることが出来なくなったのか、また確認を求めて話しかけてくる。
「……確認してたデータって、あんたの情報のことだろ?あんたがいつもやってることを逆にやられないようにすんのか。正しいとは思うぜ。最凶の武器は恐怖だからな。脅迫の怖さで他人を動かすのは利口だ」
思いがけない肯定に舌を巻く。その脳内の理論は整然としている。サンダークラッカーは低脳ではあるが、なかなかバカでもないらしい。
ただ、与えられた情報が合っているとするならば、ならだが。
苦手に思われることの多かった俺だが、他の機体を苦手に思う感覚というものは、こういうものだったのかと思い出す。
俺の苛立ちを感じ取っているのなら、なぜ話しかけてくるのか。その姿勢は俺にはまったくもって理解不能だった。
「ただ、今回からはあんたに対する報復方法が足されたわけなんだがよ」
そんなことはお前なんぞに言われなくとも分かっている。
その言葉に思わず振り返ると、水色の機体は非常に驚き、それから自信のなさそうな表情になった。サンダークラッカーは何か俺の地雷を踏み抜いたと感じているようで、その焦りの脳波が俺のブレインを埋め尽くす。
そういえば、こいつがここに来てから、こいつの顔をまじまじと見たことがなかった。
じっと見つめていると、サンダークラッカーの落ち着きがなくなっていく。先ほどから俺の顔についてなんだかんだとぐちゃぐちゃと考えていたが、実際に面と向かえば思考を散らしている。
こんな奴に俺は思考を乱されていたのか。
相手も落ち着かない様子だと分かり、少しだけ冷静さが戻って来た。
「…………」
俺が手元のリペア中のパーツにセンサーの焦点を戻すと、サンダークラッカーが小さく排気音を漏らしたのが聞こえた。
もうこちらに話しかけるつもりはなくなったらしい。しかし、その脳内は相変わら様々な感情や思考を撒き散らしている。
――何でこっち向いてリペアするんだ。もしかして、恐怖、って言葉に対しての抵抗なのか?というか今ので一瞬忘れていたが、こいつは俺にこんなにまじまじと素顔を晒していいのか?あの逃亡の時に慌てふためいた姿を晒したのは何だったんだ――
――サウンドウェーブはマスクやバイザーの下ではどんな表情してるのかと以前仲間内で話題になったことがあったが、襲われてもこんなふうに無表情じゃ勃つモノも勃たねえ。さっきの戦いではあんなに動揺した様子だったのに、犯されそうになった時は落ち着いているってどんな精神構造してやがるんだ?――
――過去だなんだとかが大事だとかは分かるけどよ。手前の機体をどうのこうのされかけた直後でもすぐいつも通り?俺が居るからか?しかし、もしひとりになりたかったらそう命令すればいいだけだろ?――
……ええい、うるさい。全くリペアに集中できない。普段は飛ぶこと以外は何も考えていないような顔をしている癖に。
サンダークラッカーは俺がよく分からないとごちゃごちゃと考えているようだが、俺もこの水色の機体について何も理解できそうになかった。
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青を捉える・1(サン音)

――サウンドウェーブってさ。
角を曲がる時、ふと聴覚センサーが自分の名前を拾い上げた。今からその通路に足を踏み入れようとしていたのに、なんと間の悪いことか。それとも俺の聴覚センサーの出力範囲が大きすぎるせいなのか。
その声を分析するに、最近デストロンに加わった者が話しているらしかった。
悪口にしろ、なんにしろ。上に立つ参謀としてはどの程度まで組織に影響があるのか興味が無いわけではない。会話というものは大事なデータだ。音声ログと違い、データとしては揺らぎがあるが。元の思想はどうであれ、他者との会話の中である一定の方向へ変質することは多い。話し相手からフィルターがかけられれば、単純な者たちの意見などはころりと転がる。
それに、『自分たちしか聞いていない』と思い誤まって重大な情報をつい話してしまうもののなんと多いことか。
分析対象としても実利としても収集は悪くない。
思わず立ち止まって会話を探る。
「あいつって、どういう奴なんだ?子飼いのチビどもがお前に喧嘩ふっかけられても、黙ってじっと見てるだろ?不気味でしかないんだがよ」
「知らねえよ、陰険参謀のことなんか」
新入りの疑問に答えた声は、スカイワープのものだった。
俺の調べでは、こいつが俺に変なあだ名をつけることが、入ったばかりの新入りどもの俺への軽視の速度が速まる原因になっている。いつかは何かの形で締め上げる必要があるのかもしれない。が、今は別にそこまで大きな問題ではない。
「まあ、お前は新参だから知らねえとは思うけど、カセットの連中は小せえがあの見てくれで力は強いからな。俺が一方的に破壊することはねえって思って放置してんだろ」
とはいえ、このスカイワープという機体はチビだなんだと小さな機体をいじめるのが好きなようだが、そのくせフレンジーたちの実力を認めているところがある。
それもお前を見逃しているひとつの理由だ。
声にこそ出さないが、こういった認識ではいる。それはお互い様、というやつだ。こいつも、死んでも認めているなどとはフレンジーたちには言わないだろう。
「へえ、そんなもんなのか?サウンドウェーブって何考えているかイマイチわかんねえからさ。おたくら付き合い古いんだろ?何か知ってるか、とか、どんなもんかと思ったんだけどな」
「俺らとあいつをいっしょにするんじゃねえよ。あの野郎が何考えてるなんて、誰もわかんねえんじゃねえか?」
畳み掛けるようにスカイワープが言い切り、新入りが納得したように排気音を漏らす。そこで会話が途切れた。
終わったか。忙しい中立ち止まった割に、有益な情報は何一つ得られなかった。……『何考えているかイマイチわかんねえ』これは大多数の機体が俺に対して思っているらしいことだ。その程度の情報はもう既に大体押さえている事実で、俺がわざわざ立ち聞きしたり、ブレインスキャンしたりする必要もない。
新入りのような新しい因子は、デストロンという環境や他の機体に対して『馴れ』がない。だからこそ、俺という異質な機体に対して不気味さを抱いているのだろう。
相手を知らない、というのはひとつの恐怖のかたちだ。相手の強さを知らずに喧嘩を吹っ掛ければ痛い目にあうのは喧嘩の初歩であり、どんな低能でも分かるまでその身に叩き込まれるルールだ。目の前の相手がぶちのめせるか、ぶちのめせないか。中にはいつまで経っても理解しない愚か者もいるが、粗野で喧嘩早く暴力でのコミュニケーションを図りがちなデストロンでは第一印象や初段階で顕著に探りが入る。機体、武器といった外見に加えて、性格や思想、思考などの中身。
俺は他の機体の中身をブレインスキャンで簡単に知れるが、奴らは俺を理解することは出来ない。そのうえ、俺は相手の弱みを簡単に握ることが出来る。それがまた恐怖心と嫌悪感を他機に植え付ける。マッチポンプ的に恐怖が倍増する。
どうせ、俺の考えていることを分かるものなどジャガーたち以外に居ないのだ。同じデストロンであっても自分以外の頭の中など分からない。連携の多いジェットロンたちも、合体などをするビルドロンやスタントロンでさえも、『完全に』理解しあっている者達など少数でしかない。
もともと、ある意味で自分又は自分たちのこと以外など興味がないのがデストロンというものかもしれないが。
俺とてブレインスキャンがなかったら、他の機体の考えていることなど決して汲み取れないだろう。
既得情報しかない無価値な会話だと分かり、早くスカイワープたちが立ち去らないものかと俺はまた少し間の悪さを感じる。
こちらとて暇ではないのだ。
「でもよ」
こっそりと行く手に居るであろうスカイワープたちの様子をうかがおうと顔を出したのと、第三の声が聞こえたのは同時だった。
慌てて、元の位置に戻る。
「あいつのやり方って効率いいよな」
誰だ、と一瞬考え込むが、ブレインの演算がジェットロンの水色の機体をはじき出した。
「そりゃあサンダークラッカー、そんな風に思えるのはおめえが利用されたことねえからだよ」
「そうかよ。で、何やってとっちめられたんだ?」
「うるせえ!」
特に深い理由は無かったのか、それとも話すつもりは無いのか、サンダークラッカーはそこで効率とやらの話は切り上げてしまう。脳波を見てやろうにもちょうど範囲外に立っているらしい。
俺のもやもやとしたものを置き去りに、
「俺としちゃあ、あいつが何考えてるかってものも気になるけどよ。マスクの下でいつもどんな顔してるのかは気になるぜ。笑ってんのか怒ってんのか、抑揚がねえからな」
とサンダークラッカーはぼやくように言った。他の二機も、うめくような声で同意する。
――俺の、表情。
ふいに自分がいつも話している時にどのような顔をしているか想像するが、具体的には思いつかない。
そんな考えを巡らせているうちに、会話はどんどん先に進んでいく。
「表情ね。サウンドウェーブの感情の集積回路は半分くらい壊れてるって噂じゃねえか。きっと能面さ」
「そんな噂もあんのか」
「面って言えば、あいつっていつもマスクとバイザーつけっぱなしだけどよ。どんな顔してるんだ?不細工なのか?」
新入りがスカイワープとサンダークラッカーに尋ねる。スカイワープはそれに鼻を鳴らし、サンダークラッカーは何も言わなかった。
「知るかよ、あいつの顔になんてナノミリほどの興味もないぜ」
「古参の連中はつめてーなあ」
吐き捨てるように言うスカイワープに対して、ふざけた調子で新人はぼやく。
三機はやっと動き出したようで、その声はだんだんと遠のいていった。
――何故、このタイミングで、こんなことを思い出したのだろう?
「何故ここに来た」
ごりごりとその背に銃を押し付けながら、尋問するように問いかける。
「サウンドウェーブか?」
硝煙がなおくすぶる中、任務以外で話したことのなかったその機体は、いとも簡単にエフェクトの無い今の俺を聞き分けた。
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ADV再熱

ADVが再熱しました。youtubeの公式配信まだあってほんまありがとうタカトミ〜。貢ぎます〜。
あー可愛いの権化。キャラがみんな可愛くて箱推し大満足……特にビーが好き……オプティマスとはまた違ったリーダーシップやチームの作り上げかたが好き。司令官も昔はこうだったんかな。誰しも最初から司令官やリーダーだなんてことはないよねえ。といつも初期見てて思う。
プライム大好きなだけに、あの暗さ(話も画面も)からのこの親しみやすさほんと気が狂う。いつも言ってるけど、いたずらっ子バンブルビーくんのあんな感じの幼い子がプライムの少年兵になるとか悲惨すぎる……すすすのすこ。
とはいえ、ADVもわりーとなんか妙なリアリティあるよね。そういうとこすき。生首スワイプの生命維持装置とかさ。性癖にグサグサ刺さる。最初はFuturamaのヘッド・イン・ア・ジャー的な感じで笑ってましたけど、これ、ハンニバルの脳みそソテー的なことも生命維持装置で『新本格魔法少女りすか』の影谷蛇之みたいな衰弱死するまで命乞いさせるプレイできるやん!は??最高な!!!はー割と闇が深いでADV。
あと、やっぱチームの人員の設定がわかりやすいからすこ。特にシーズン1。同じくプライムを好きな理由って割と死ぬけど基本的には人員固定なとこもあるなあ。そういや入れ替えはあるけどビーストもそこまで増えないよね。初代は特例として、基本的に戦隊ヒーローみたいにこう……キャラが決まって動いてるのがさ、いいよね。このキャラはこう!みたいな。私はアホだから仲間でも8超えたくらいから群像劇化した時とかに「????」ってなってまうのだ。プライムは固定サイドキックも良かったなあ。ADVもラッセルとデニーでバランスがよくて好きだ。
やっぱプライムはなんだかんだ言って話の作りが好みなんだよなあ。プライムはストーリーめちゃ面白いけど「隙」があんまないんだよねえ。というか、うまく私が噛み砕けないだけだけどさ。だからか、その私の萌えがADVに来て爆発してる気がします。
はーEDの低音が足りてる感じもすき。
まあ、後言いたいことは〜うーんそうだなーなんというか、PrimeとADVめちゃ顔がいい!
鼻なしのデザインが好きすぎる。この間「なゆたさんは顔が見えないキャラ好きだよね」と言われたけれど。ちゃうねん……人間っぽくない顔が好きなんだよ……
あと、身体もね、いいよね。カエル回の遺跡突入前のビーの銃ぶら下げたケツ最高。でも武器はPみたいに内臓してる方が好きなんだよなあ。
あー司令官すき〜〜P司令官も神経毒でオライオン以前の子どもになったらどういう感じになるのかな。まあ、司令はなんだかんだディグニティ〜〜〜〜みたいなおひとだから、なんか似合わない気がす。アニメテッドくらいだな許されるのは。ネオはまあ、公式だけどちょい特殊やから・・・
てかビーストのネオとⅡも見なきゃ見なきゃと思ってまだ全然見れてないわ。宿題は片付けないと。
てかビー(しかもVW!!)の映画も楽しみだー!!人外少女最高〜〜〜

ねんがんのサン音アンソロを手に入れたぞ!

ああ、やっと手に入れました。
やっほーーーーーーー!!サン音やぞ!!!!!!!これで勝つる!!!!!
レニさんありがとう!!バグさんありがとう!!!
はとりさん、リオウさん、らてぃさん、さなぎさん、うえきさん……一人ひとりに感想言いたいけどストカーじみてるのでやめます。嘘です。今からうめえうめえ言うぞ!一方的にな!壁打ちでな!!
バグさんの表紙もめっちゃサーティ◯ンのポッピンソーダカラー!!
あの日飲んだポップソーダの色を僕たちはまだ知らないけど、サン音の色で、しかも綺麗だということは知っています。私はそれにとても感動させられました(和訳)
サンキューサンイッチ!まさかドームシティで飲んだポッピングシャワーのソーダがこのアンソロの名前になるとは……!確かにあの時にポッピングソーダ飲んでたのはバグさんとレニさんだったな。まさかそこから伏線を張られていたとは。
しかも中表紙数ページカラーですからね!!豪華!!終始切れ気味に以下感想!
FF外から失礼しますが、ばきめろさんのポップなイラストが最大値になってる!!ゆめかわや〜中の白黒のサン音の雰囲気は逆立ちしたって出せない。私何食べればいいんでしょうか。わたあめとかキ◯ララとか食べたらこういう雰囲気出せるようになるんでしょうか。はえ^〜
鰤大根さんの文字通りスイートなサン音も最高です!!なぜサン音好きのオタクはふたりに甘くて可愛いものを与えてしまうか。その答えはここにあるんだよ!!!!
いいよいいよサン音可愛いよ!輝いてるよ!!
うえきさんのデフォルメ画をすこれ。うえきさんといえばリョナなので可哀相な音波さんが見つからなくてリアルにページ数表示をじっと調べてしまった……罪深い。
FF外から失礼いたしますが、おこげさんの恋の駆け引き的サン音クッソ可愛いな!絶対言わないくだりと貧乳のくだりがすこ。そして勝利宣言ぱ。ここでマスク外してないとこがすすすのすこ。私だったら軽率にマスクオフさせるだろうでしょうから。すっこ。きゅんぱさんも小悪魔ですこ。ね、初代んぱもそういうとこ見習った方がいいよ。でも天然なとこは君のいいところだから伸ばしてね。はーオトメンぱすっこ。
またまたFF外から失礼いたしますが、城辺さんの積極的音波もすこ。いいよー赤面ぱもすこだけど、こういう積極性と余裕のある音波、私、好きです!!
で、こひさんのちょっとまっすぐに歪んでるサンクラさん×読めないけどサンクラさんが好きなんだろう音波さんすっっっっっこ!ちゃんとスタスクでオチがついているのに脱帽します。でも機嫌よくなる音波さん、かわいーなー。はぁーしんどい……世界平和について考え始めてしまう。サン音がその答えなんじゃないですかね?
さなぎさんのサン音は安定して読めるなあ。いろんなキャラが絡んでも破綻しないし、度々挟まれるユーモアが知性をかんじる。知性0の私が読んでもつっかえずにするする読めるのほんと神。あと、箱推しマンとしてはスタスクとか他の機体のいいところとかも出てると非常にお得な気分になってしまう。スタスクは地スペック高め派なので。握手しよ。てか、ちょっと危うい音波さん好きなので、いいよいいよ^^とカメラマン目線で思って見てました。ワイ、神視点であんまり小説書かないんですが、三人称だと登場人物の視点と感情から一歩引いて見られるから萌えのベクトルが関係性にグッと向く気がする。てかさー監視してわかったことが可愛すぎるだろ〜殺す気か?
またもやFF外から失礼いたしますが、X23さんの描くふたりがイケメンでときめく。は〜音波さんには悪いが、サンクラさんにはまだまだ勘違いをし続けて欲しい。そのぶんのやきもきを楽しみたい。ひどい。でも音波さんも不器用なのが悪いんだからね!仕方ないね!>< あと、タバコを吸うサンクラがめっちゃ性癖に刺さる。
おこがましくもFF外から失礼いたしますが、びびさんのサン音もさーまーた甘いの食べてるよ!!可愛いよ!!宇宙の真理をかんじる!!マスクオフの描写と時折透けるバイザーの向こうの雄弁なオプティックの表現よ……こういうところをずっと見てるからサンクラさんってば分かっちゃうのね!と読みながらニコニコしてしまう。「ドヤクラァァァ」の擬音を非常に気に入ったので、脳内SEに永久保管しようと思います。
桃蜂蜜さんの音波くそがわ゛い゛い゛な゛ぁ゛……あー導入に人間の好いた惚れたを持ってくるの上手いなあ、ですっと物語世界に滅私没入して音波さんってそういうところあるよなあ、とニマニマ見ていたところ、首絞めでやられました。はー!!そういうとこ!!!そういうところだよ!!!!音波さん好き!!!!!!!!無理!!!!!!!!!!!!!!!!!!はー切れそう!!!!!?????
やぶのきさんのサン音はちゃんと「戦え!トランスフォーマー!」しててスーパー好みです。あとね、アメコミっぽい構図やポーズがあるのも好きです。みんな大好きトイ◯らス限定のサンクラさんの垂直尾翼のモンダイノ「ソニックブーム」の深掘りが最高です!恋愛っていうより、もうスパークで惹かれ合ってるのいい。。。そして、時系列的にちょっと不穏な感じで終わるのも最高にいい……でも、この時空のサン音は確実にハッピーエンドになれるサン音ですわ。。。私もこのバースで息したい・・・
らてぃさんのサン音……ヒエ……泣きそう……絵面が美しすぎる…………海の青、月の光、隣からかすかに匂う甘いタバコの匂い、深く静かな歌声(歌うときはきっと震えていただろうなあ)、見えなかった声の主、ゲームと言う名の運試しと駆け引き、好きという感覚、相手を思うということ、エトセトラエトセトラ、、、はー、、、、ため息が出ます。しかもさー視点を分けて補完してさ〜〜一人称の素晴らしさをメイクザモストし過ぎなんだよなあああああ〜〜フォントのチョイスも素晴らしい。参考にさせていただきます……
リオウさんのサン音はいろんな要素があって、読み終わってもまだ噛んでる感じします。まじスルメ。「い、嫌だ」のとこで萌えすぎて本を落としました。そして、エレベータのとこさ〜も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読めばわかる。そういうことなんだろ?ねえ、そういうことなんだよね??ちょっと待ってサンクラさん雄すぎません?っていうかさ、やっぱ、音波さんの魅力のひとつって「こいつのいいところは俺だけが知ってる」の幻想だと思う。違うって?すまんな。でもね、私はそう読んじゃったんだ。ちゃんと同じくらい、いやうまく隠してるだけで音波さん以上に相手が好きそうなサンクラさんも好き。
きゅんぱは可愛いの権化か??????????????あざとい!!!!!(抱きしめながら)
初代バースでずっとアンソロを読んできた頭の後頭部を鮮やかに殴り抜けていくきゅんぱ。レニさん節が爆発してます。土産のプリンのくだりだったりジャガーの視線だったりののディティールがあるのと他キャラが出てくるがすげー好き。優しい味がする。QTFは色々と可能性が高いですよね。公式擬人化もあったせいでモアザンミーツヂアイ。そしてピューロランドとかも懐かしすぎる。本編で言ってたもんな。大人のテーマパーク。(今だったら水龍◯ランドとかになりそう)
懐かしさに脱線しましたが、レニさんたちが布教してたからTLで流行ったの懐かしすぎる。Qんぱも最高です。
バグさんのサン音のさー最後の「〜するから♡」の爆発力ヤバないですか?そしてね、音波さんが何気なーく飲んでるが、噂のポッピングソーダですよ。そういうところだよ!顧客満足度がクソ高いバグさん。すげー細かいこと言っていい?ブリッツの困惑顔とサンクラさんの八重歯すこ。もっと細かいこと言っていい?87ページ目の1コマ目の音波さんめっちゃ好き。は??切れそう。
てかこのサン音アンソロ、96ページもあるのヤバない?画期的すぎません??革命起きてね?切れそう!!しかも何気にスタ音とかジャガ音も口の中に入ってきて、味がいっぱい!おいしい!って頭バカになるわ!!!!!やばい……キレそう…おっやんのか?吐いた唾飲ますぞ?破壊力が高すぎて、防衛本能が働いてしまう。無理ぽ。
ぽ、 (╮╯╭) ポティトゥ !
と、大満足な96ページでした。
(いやーこれだけのメンバーと作品が集まったのは奇跡としか言いようが)ないです。
ちょうどTF博とかあった翌年でしたっけ。で、QTFのおかげでご新規さんが入ったのもこの年でしたね。と、懐古厨。
繰り返しになりますが、レニさんとバグさん企画立案・運営発行ありがとうございました。
社畜堕ちゆえにアンソロ参加できず、しかもTFKとかの即売会とかにもまっっっったく参加できなくなってしまった為、ずっと受け取れずに取り置きしていただいていたのですが、ついに!!ついに!!!!2016年5月にアンソロ誘われたものの、魂をはした金で会社に売ってしまっていた社畜こと私の3年にわたる心残りが、この度、救われました。はー!!!!めっちゃカタルシス!!!!!
年齢制限あるアンソロ作るときはぜひ呼んで下さい。