雲の王国

Amazonプライム凄すぎませんかね。ドラえもんの映画がいっぱいある・・・
思わず、好きな『雲の王国』を観てしまった。
今見ると、冷戦、環境汚染、核戦争、人類への審判など、当時の時代背景を反映したもので、思わず「こんな話だったっけ!?」と唖然としました。(放映時、まだ生まれてないですが)
ちょいと宗教的だ教育的すぎだと☆1つけられてますが、大人は物語、事実、抽象的概念を理解することが出来るけれど、子どもは物語を通して理解するんだからいいじゃない。密猟者のおっさんを対比に、未来は子ども達から。今の気づきが未来に繋がる。未来は変えられるから、地球は持続可能だし、いつか帰ってきた天上人と地上人は和解するし、ドラえもんがいる未来もきっとくる。そういうのがいいんじゃないか。
のび太とドラえもんがネッシーに乗ってる時の作画が実際のネッシーが映ったと言われてる映像を模してて、いいなあ。『のび太と恐竜』のピー助だったら……と思うと泣きそうになる。ホイくんとかキー坊とかゲストも多いから、どこかで見たかったよー漫画とかアニメのキャラとか出てくるの本当好き。
こう、愛や信念を優しさや自己犠牲の行動で示すのび太やドラえもんが好きだよ。ドラえもん映画は自己犠牲キャラ多いよなあ。バギーちゃんとか。はあ、好き。尊い。のび太を選ぶしずちゃんは本当分かってる。でもしずちゃんの優しくも強いところすげー好き。雲の王国の裁判でしっかり意見が言えるとことか、夢幻三勇士で自分で王子様になっちゃうとことか。任せられないから自分で!と言っても、最後はのび太を選ぶんだよなあ。ニヤニヤ。
にしても、ドラえもんとのび太が仲良くて可愛い。ドラえもんが壊れてる時に超優しくてがわ゛い゛い゛な゛ぁ゛の゛びだぐん゛(かわいい、と打つとこのだいちくんが出てきて本当自分ながら臭い)。まあ、ドラえもんは映画だとよく壊れるから、まあ、慣れるわな。

決定打(クリジェ)

会議が行われているメインルームの端の壁からクリフを探すと、ミニボットたちの間で何か今日の議題について話し合っている姿が見つかった。ボディが赤い機体は多いし、誰かと一緒にいることが多いから、いつも探すのが一苦労だ。
今日の議題は作戦会議ではなく見回りの当番決めなどなのだから、そんなに誰かとくっついて熱心に話すことではないだろうとかぼんやり思う。
まったく、いつも俺のことが分からないなんて言うくせに、そっちの考えの方が分からないよ。
クリフはよく俺のことを見ているし分かってる。だから、たまに自分でも気づかない自分に気づかされて驚くよ。でも、俺にはクリフのことがあまり分からない。多分、クリフは俺のことは悪く思っていない、むしろ好きだとは思うのだけれど、確信はない。
クリフは見ていたつもりでもすぐにどこかに行って見失ってしまうし、話していてもすぐに他の誰かと話し始めてしまう。こんな会議のような一箇所にとどまるようなときでないと、ゆっくりも観察できないのだ。
「クリフをあまり振り回してやるなよ」なんてラチェットには言われるけれど、被害者はこっちだ。
元々、馬が合うタイプにも思えなかったし、野蛮なやつだって思っていたから、興味だってなかったんだ。眼中にも入らなかったのに、戦いとなればスコープの向こうの前線で赤い機体が暴れまわる。見るなと言うのが無理だったんだ。
だからか、俺を特別視しない彼の気を引きたくて。そして、この俺があまりに振り回されすぎているような気がするのが癪で。クリフについ、ちょっかいを出してしまう。
エレクトロセルの一件から、クリフとはお互いにからかうことが出来るようになった。ちょっと無視してみたり、意地悪なことを言ってみたり、くっついてみたり。俺がそんなことをするのを、サイバトロンの他の機体は初めは珍しそうに見ていたが、クリフが俺に躊躇いなくわざとぶつかったり、くすぐってったりするのを見るとすぐに慣れてしまった。だから、俺が何をしても変な目で見られることはない。
みんなの目には俺たちがふざけ合っているふたりでしかなく、むしろエレクトロセルの一件を知っているからこそ、俺がクリフを許すかのように積極的にからかっているとさえ見ているようだ。ラチェットや司令官あたりは俺のこの微妙な気持ちに気がついているようだが。
クリフの反応は、面白いし可愛い。
ちょっと気のあるような態度を取ったり思わせぶりなことを言ったりすると、真っ赤になって怒る。
だから、やっぱり俺のことは好きなんじゃないかとは思う。
でもちょっとそういう雰囲気になっても、クリフはくるりと方向転換するのが早い。照れて逃げてるだけかとも思えるけれど、そうでもないかもしれない。
クリフには他に本気で好きな機体が居るのかもしれないとも思う。クリフは仲がいい機体も多いし、誰が特別なんか分からない。コンボイ司令官には敬愛、ミニボット達には仲間意識だとしたら、周りの親しい機体にはどうなのだろう。
クリフ、俺は?
もし、彼にとって俺が特別だったら。彼が俺を好きだったら。その時俺がどうするかは分からないけれど、もし好きだとするならば、踏み込むかどうか決める前に決定的な何かが欲しい。もし、自分のことを好きだと言うのなら。
もし踏み込むのだとしたら、自分からかけるべき言葉は分かっているけれど。今の関係は心地がいいし、俺から拗れたりなどしたくはない。
気を抜いていたら、少し変な顔になっていたらしい。
クリフがこちらに気づき、2本の指をセンサーに向けてからこちらを指差し、『見てるぞ』とサインを送ってきた。会議に集中していないのがわかったらしい。
クリフのことを考えていただけに決まりが悪い。
大げさに肩をすくめて見せると、クリフがにやっと笑った。
これだけ仲間がいるのにこの無言の会話は二人だけ。なんだか照れ臭くもあるが、嬉しい。お互い笑いそうになるのを我慢しているのが分かる。
それでも、口を押さえて我慢して位るうちに、いつもの馴れ合いの妙なしゃれっけが出てくる。
「あ い し て る よ」
声に出さずに口をぱくぱくと動かして、キスを投げてやる。
クリフには口パクは分からなかったようだが、流石に投げキッスは理解できたらしい。ボディの色と同じくらい真っ赤になって、怒ったのが、わかった。
「だ か ら、 そ う 言 う 事 や る な っ て !」
クリフも口パクをする。おそらく、そんな事を言っているんだろう。
ああ、ああ言う反応をするってことは、やっぱりクリフも俺が好きなんだろうな。嬉しいと感じないのは無理だ。
でも、また――
あまりに真っ赤になってあらぬ方向を向いていたせいか、他のミニボットがクリフの顔を振り向かせる。クリフの顔が今度は青くなって、その口元が遠くでなんでもねえよと動いているのが見えた。
つまらないと目を伏せる。
踏み込もうとしても、すぐに離れてしまう。
諦めて目を上げるとクリフがこちらを見ていた。
怒っていると言うのを示したいのだろう。スナイプを覗く真似をして、右手の鉄砲でこちらに向かって構える。スナイパーのように。
予想しなかったのは、込める弾丸にキスをしたところだ。さっきの意趣返しとはわかるが、ドキッとする。
そしてその鼓動に合わせるように、クリフは引き金を引いてみせた。
バ ー ン !
クリフが撃ち終えたその瞬間、副官が大きく笑う声が室内に響いた。
「いやあ、クリフ。若いっていいねえ」
司令官の横で副官がクリフを名指しで呼びかける。
まあ、あれだけ部屋の中心で動いていたら、前に立つ副官には(もしかしたら司令官にまで)よく見えていたことだろう。
咄嗟に俺は姿を消したが、クリフにはそんなことは出来ない。その顔は先ほど以上に真っ赤になっていた。何人かが噴き出すのが聞こえたからには、今の俺たちのやり取りは結構な人数に見られていたのだろう。
クリフは見えないはずのこちらに向かって、今度はかける言葉を失って口を無意味に動かしている。
「へ た く そ」
見えないとは分かっていても、俺はそうクリフに向かって唇を動かさずにはいられなかった。
でも、さっきのスナイパーの真似はすごくよかったよ。次はもっとちゃんと決定的な一撃を打ち込んでくれたらもっといいんだけど。
本物のスナイパーっていうのは臆病だ。勝機が見えるまでは動かない。相手が焦れて撃ってきたら、それを頼りに狙い撃ちにする。
もしクリフ、お前が俺を本気で撃ち落とす気なら、決定打をくれないと。
撃ってくるならば、こちらは準備が出来ている。
バグさんからのリクエスト。某曲「スナイパー」でクリジェ。
2017/11/21にTwitterで呟いてた、「貴方はクリジェで『照れ隠しの仕草』をお題にして140文字SSを書いてください。」の140字作文を使ってみました。:
「会議中、ふと目があったリジェは眠そうだった。こっそり指をセンサーに向けて『見てるぞ』とサインを送る。リジェは決まり悪そうに肩をすくめて見せた。これだけ仲間がいるのにこの無言の会話は二人だけ。なんだか照れ臭い。リジェもそう思ったらしく、お互い笑いそうなのを我慢する変な顔をしていた」

評点(大帝と音波)

「アレは……スタースクリームは、馬鹿ダ」
「また馬鹿、か。お前にかかればデストロン軍団はみな馬鹿ばかりのようだな」
ふっと笑った拍子にずれた老眼鏡を直しつつ、少し呆れたように、そして大いに面白がるようにこちらをそのレンズの奥から赤いアイセンサーが覗いてきた。
愚か者と言う割に、このお方はあいつを何故だか気に入っている。黙っていれば、しげしげオレの握るペンの先がどう動くかをじっと見守り始める。
五段階評価で4をつけてやると、ほうとメガトロン様はまた笑った。
「あやつは馬鹿だと言ったばかりではないか」
癪ではあるが、こいつが、スタースクリームが高得点になるのは否めない。
「……優秀だと認めなくてはならナイところもある。形勢が崩れてメガトロン様が攻撃を受けている時などは、退却のタイミングを逃さなナイ」
「突かれれば逃げる臆病者のスタースクリームとは言わないのだな」
ほら、結局はやはりお気に入りなのだ。
俺は手元の書類に貼り付けられた鼻持ちならないニヤリ笑い顔の写真を、バイザーの下から睨みつけた。
「――との声もアルが。あいつはメガトロン様を良く見ているカラ、引き際を知っていると評価スル」
形は何であれ、同類ども以外の、他の部隊や機体を率いることが出来るのは才能だ。
そのモチベーションが下克上精神だとしても。
天才というよりは秀才型だからこそ努力すれば結果を出せると知っている。だから諦めないし、向上心が強い。昔、科学者をしていたとは思えない気の短さをしているくせ、そういうマインドだけは申し分なく持っている。
自分より上がいるのが気にくわない、と上へ上へとどんな手を使っても達成しようとする。尽きない探究心が誤って金属の塊になったような奴だ。そして、俺は秀才は後天的なものであるから、これだけ俺は努力したのだそうやってやり遂げたのだと自分が得たもの持っているものを激しく自己主張する。しかしあの傲慢さは元々のスペックが非常に高いからこそか……と、そこまでの賛辞はこれ以上は言ってはやらない。
メガトロン様も面倒な奴に捕まったものだ。
「だが――」
「『だが、』どうした?」
天才は超えられない。
どんな努力をした秀才も、磨かれきった天才の前では道化か狂言回しだ。
「モット相手を見て挑むベキだ」
皮肉を込めて言ったつもりの言葉だったが、驚いた顔をされる。
よく考えれば、メガトロン様を絶対者としておいている。なるほどごますりめいた台詞だ。そういえば、最近は一部の者にごますり参謀などと軽口を叩かれたばかりだ。
「それは、お前の素か?サウンドウェーブ」
このお方は俺がどれだけ心酔しているか知らないはずがないのに……
事実は事実でしかないので訂正するのも、また質問を肯定するのも面倒くさい俺は、疲れたらしい目元をグリグリと押しながら笑うメガトロン様をぼうっと見る。
デストロン軍団の内部の再編成のために、適正に能力を判断しようという試みを始めてからもう何メガサイクルも経っている。
俺は冷めてしまったコーヒーを淹れ直すのに席を立った。
にしても。
やはり天才は超えられないのだ、と俺は電子ケトルの前で改めて思った。
メガトロン様こそは大帝の名にふさわしい絶対者なのだ。
その前に立つと、自分のスペックが思考が能力がいかに矮小かを気づかされる。あるものはその力ゆえに畏れ従い、あるものは嫉妬に駆られて視野を狭める。常に周りの者に勝利する。
……認めたくはないが、コンボイもその類ではあるのだろう。
サイバトロンどもはコンボイのそのあるがままに、あるものは勇気づけられ、あるものは一緒に事を成したいと熱望する。そういうコンボイであるからこそ、メガトロン様はあいつに執着し、是が非にでもいつかは叩き潰さなくてはならないと決めているのだ。
しかし、決着がついた時に万が一でもコンボイが生き残ることがあれば、あいつも独裁者になり他から畏れられ嫉妬されて弾劾される運命にある。与える物が違うとはいえ、他人に影響を嫌にでも与えてしまう存在というものはそういう理にあるのだ。
均衡を保つかのように拮抗させる宇宙の意志とやらに俺は辟易としてきた。
同じ最後ならば、俺はメガトロン様の目指す独裁の方が良い。友愛などという曖昧さを多く残す支配における利益の再分配は難しい。ならば、優秀で強大な力によって完全に管理すればいいのだ。そこまでやらねば、平等などという言葉は空気よりも軽い。だからこそ、天才が、強力な救世主のような存在が必要なのだ。
沸き立つ俺の内側に呼応するかのように、セットいていたケトルが沸騰を知らせた。
コーヒーを二つ手にメガトロン様の元へ戻ると、その手元には評価書がまとめられてあった。俺が席を外す間に、残りの調書――俺とレーザーウェーブの評価を終えてしまったらしい。
しまった、俺とあいつの分を逃したか。
「ご苦労だった、サウンドウェーブ」
口惜しく立つ俺の手からコーヒーを取ると、メガトロン様は労いながらかけていた老眼鏡をデスクの上に滑らせた。
「やっと次の作戦が決まったからな。これを飲んだら作戦開始とするぞ」
不服はあるが、抗えない。老獪に笑ってみせる大帝に、俺は従うしかない。だが、
「了解シタ、メガトロン様」
――この人の絶対性でなら、真の平和と平等が成る。
どこかで、目の前のどんな評価でも最高点をつけねばならぬ絶対者、理想を叶える救世主という存在に無比の喜びを感じずにはいられなかった。
くろみさんからの大帝と音波のお題「評点」でのリクエスト
昔、DMで話したことを思い出したので、2018/3/10に一行加筆。

別ブログのデータ移行

デジタル断捨離中のため、某所で長いこと放置していた感想ブログの記事を転載しました。
映画とかドキュメンタリーとかでダラダラ語りを細々と当時は書いていたのですが最近はツイッターで呟けますし、読書に関しては2011年から読書メーター続けてるのでこれを機に統合。
他にもパスどころか存在も忘れて放置されてるSSのブログとかアカウントまだどこかにいっぱい残ってるんだろうなと思うと……です。

彼の眼差し(ラチェホイ)

振り返ると、ラチェットくんがじっとこちらを見ていた。
手に持ったレンチをちょっと振って見せてみる。それでも視線は外れない。何か考え事してるらしい。
「・・・なんか用かね?」
無意識なんだろうそれを指摘してみると、ラチェットくんはちょっと面食らった顔をして向こうに行ってしまった。
「あら。振られてもうた」
ラチェットくんと一緒にいると、時たまこんな奇妙な瞬間がやってくる。
でも、ラチェットくんは、何も言わない。
言わないけど、ふと気づくと我輩のことをじっと見ている。その刺さるように熱い視線がむずかゆくて、ついおどけてしまう。
ラチェットくんから見たら、我輩はどんなふうに見えているんだろうか。
うーん、悪い感情はなさそうだけれど。
彼は何も言わないから、どんなことを考えているかなんて想像して見ても分からない。けれど、ああいう眼差しは、我輩にだけな気がする。しかし、自意識過剰かもしれない話ではある。
それともあれかね。また何か爆発させやしないかなんて心配されてるのかね。
今度、相手が何を考えているか分かるような頭の中を覗けるような発明でもしてみようかと思う。
ふとまたラチェットくんの方に意識を向けると、また遠くからこちらを見ているようだった。
「…………」
ああ、視線が熱い。
マスクをしているから彼には見えないかもしれないが、あの目を感じると、なんだか緊張して背筋が伸びてしまうし、なんだか恥ずかしくて顔が熱くなる。
彼がどう我輩を見ているのかは分からないけれど、我輩だってラチェットくんをなんだかんだ見ているから、彼が色々な性格や表情を持っているのを知っている。
誰かを治療している時の真剣な眼差し。助けたいという思いが見える横顔。
何かうまくいかなかった時に、悔しがって自己嫌悪に歪めて伏せる時の表情。
不注意で怪我をした時に向ける優しさからの厳しい目の光。
笑った時に細くなるオプティックの奥。
……挙げ始めたら、なんだか余計に気恥ずかしくなる。どれだけ自分もラチェットくんを見ているのか、どれほどの好意を持っているのか。
だから、横にいて、近くで見ていて、飽きないんだよなあとも思う。
ラチェットくんを盗み見ると、彼は今はリペア用の器材を調整しているようだった。
ラチェットくんもそう思ってくれていたらいいのだけれど。
「……我輩、思ってたよりラチェットくんのこと好きみたいだ」
コーヒーのおかわりに気がついて来てくれたラチェットくんにそういうと、彼はひどく驚いたみたいだった。
「え」
彼の白い機体は紅潮すると、わかりやすい。
そんな発見をした瞬間に自分の顔も熱くなったのが判った。
マスク越しでもこれはラチェットくんも分かるだろうなあ。
ラチェットくんの目がまたあの眼差しになる。でも、今回は何かを言うみたいだった。
「……ホイルジャック、私は――」
シャザムさんのリクエストです。
「君の好きなとこ」を想われてるひと視点。