【サン音】確認癖3

 
俺の何かが欲しかった。
自分のブレインの中、自分の言葉で表す。なるほど、サウンドウェーブという全体像すら掴めない謎めいた機体でもパズルのピースが合ったかもしれない。
コアダンプというチョイスはよく分からねえが、情報形態ってことはあいつの領分だ。何か思い入れがあるってことだろ。やっこさんも、もっと違う言い方とか態度で言ってくれりゃあ良いのに。言い方ややり方を知らねえだけだろうけどよ。
前の方から歩いてくるサウンドウェーブの姿を見ながらあのぶっきらぼうな物言いを思い出していると、どうしてあいつに惹かれてるのか分からなくなる。ただ自分がラクでいたいなら、俺を振り回すこともない分かりやすい可愛げのあるやつを追っかけていればいい。誰と摩擦を起こすわけでもなく、安穏と流される方が楽なのは誰でも知っている。
しかしそんなことを考えている俺自身は、今確実に浮かれていた。
「よお」
しかし、そんな俺とは対照的に声をかけたサウンドウェーブはあからさまに不機嫌そうだった。返事もしないまま、横に並ぶ。
……返事をする気は無くっても、何かやりてえことはあるってえことだな。今度は一体なんだってんだ。さっきはほんの少し機嫌が良さそうだったのに。
こういう時は、サウンドウェーブが切り出すまで待っているというのが暗黙の了解になりつつあった。それでも俺にはスカイワープと話すことで上向いた気持ちから出来た小さな自信がる。この不安定さについてはいつ踏み込んでみようかと機会を伺っていたが、今がその時かもしれない。
足を止めると、サウンドウェーブもすぐに気づいて俺に向き合ようにして立ち止まった。そしてこちらを数ナノクリックだけ凝視したかと思うとすぐさま前を振り返り、歩き出す。その行動に唖然としながら、すぐに追いつけるその背に向かって言葉を投げる。
「お前、よく急に機嫌悪くなるけどよ。ありゃあ何が原因なんだ?」
「オ前ニハ分からナイ」
すぐに返事をするところからするに、さっきのはまたアレか。
すこし自分が不安定になったのがわかる。どういうことだと踏み込めば黙り込むだろうか。サウンドウェーブを追っかけだしてから、自分が感情的になったと思う。スカイワープの『まったく、おめえもよくあんな陰険野郎とつるんでいられるもんだぜ』という言葉がふいに記憶回路を巡る。
これは話したくねえってことらしいが、てめえで勝手に人の頭ん中覗いておいて、俺には訳の分からねえまま放っておくとは、お前は俺のなんだってもんだ。俺のもの、だろう?
頭の中でそうがなりつつも、俺はサウンドウェーブに向かって吹っかける言葉が見つからずにいる。自分が今、ひでえ顔で奴さんを見ているだろう自覚がある。なっさけねねえ。
「――ソウダナ」
少し嬉しそうにサウンドウェーブが呟いた。またブレインスキャンか。馬鹿にしている様子は無い。その嬉しそうな理由がわからず、俺は相手が喋るのを無言でもって促す。
サウンドウェーブも諦めたように、続けた。
「お前ハ、他人を通テシカ自分や他人ヲ確認出来ないカラダ」

【サン音】確認癖2

「で、言われたとおり、コアダンプ吐いて来たってぇのか?」
顔を見合わせた途端、スカイワープがからかうような口調で問いかけて来る。データ処理を強いられて疲れた俺を見てスカイワープの口角がぐっと上がった。
誰も見ていないと思っていたが、あの場面をちょうど目撃されていたらしい。あの抜け目ないサウンドウェーブのことだ。スカイワープに関しては俺とあいつの関係を知っているから、聞かれても問題ないと判断したのだろう。
こいつが面白がって絡んでくるのは自分じゃないと知ってるからな。
スカイワープやスタースクリームの前では特に注意を払っていない気がする。以前、サウンドウェーブは俺に所属部隊と確執を作るべきじゃないと言っていたが、情報開示したからといって何かが変わるようには俺には思えなかった。
しかたなく俺がそうだともそもそと返事をすると、案の定スカイワープはわけがわからねえと笑い声を上げた。
「そう笑うなよ」
もし俺があの場で拒否したところで、あいつにいつかは結局は根負けしていたか、無理やり吐かされたかのどちらかだ。
そう告げると、スカイワープもようやく笑いを引っ込める。その代わり、呆れ返ったような表情を浮かべて俺を見てきた。
「まったく、おめえもよくあんな陰険野郎とつるんでいられるもんだぜ。自分のコアダンプを保存されてあいつに何に使われるかなんて分かったもんじゃねえや」
「保存して持っとくだけだって言ってたし、それくらいじゃどうってことねえよ。お前に――」
思わず言い返しかけて言葉をのむ。俺自身の急に荒ぶった声の響きと、それに続いたであろう本心に自分でも驚く。
お前にサウンドウェーブの何が分かる。俺はそう言いかけたのか?だとしたら、お笑い種だ。さっきまでてめえでやっこさんの頭ん中が覗けない、何を考えているのか分からねえ、とくよくよしていたというのに。
俺が何に腹を立てたのかスカイワープは気づかなかった様子で、単純にからかったことを気にしたと思ったらしい。俺が黙って考え込んでいるうちにからかうのをやめ、話題をサウンドウェーブ自体にずらした。
「まあ、あの鉄面皮にあんな情緒があったのかと思えば、感動もんではあるけどよ」
「情緒?」
さきほどの馬鹿にする雰囲気をと打って変わり、感慨深げなスカイワープに思わず聞き返す。
「形は何であれ、おめえのなんかが欲しかったってことだろ、ありゃあ」
2014/10/4

【サン音】確認癖1

※練習につき、拙文注意。
 リアルやまなし・おちなし・いみなしでいちゃつかせたかっただけ
俺は相変わらず、サウンドウェーブに振り回され続けている。
あいつが『俺のもの』となったとはいえ、サウンドウェーブの考えていることは相変わらず読めるようになってはいない。立場が違うという点で、他のやつらが居るときに態度を変えるくらいなら俺にだって理解が出来る。しかし、二人きりの時に急に不機嫌になるのは予測不可能だ。しかもその不機嫌が、俺がぐちゃぐちゃとこいつの頭の中について考えているうちにご機嫌になったりする。
こいつこんなキャラだったか?
情緒が不安定な様子を見ていると、余計にこいつという機体が分からなくなってくる。以前自分がこいつを無表情・無関心・無感動の感情回路半壊野郎だと思っていたという事実が、今や受け入れられない。少し前までろくに色恋沙汰だなんだのほうは情緒が育っていなかったから、その反動なのか違うのか。あのバイザーとマスクとあの鉄仮面越しでも機嫌が良いか悪いか程度は分かるようになったのが、余計に俺を混乱させる。
それ以上に俺を混乱させるのは、最近のサウンドウェーブの俺の論理を軽々と超えたとっぴも無い行動をとってくることだった。
「サンダークラッカー」
いつも通りの平坦な声が俺の名前を呼ぶ。振り返ると、いつも通りなんの感情も見せない様子でサウンドウェーブが後ろに立っていた。
「よう」
声をかけると、振り返りざまにウィングの当たらない位置から一歩踏み込んでくる。この間隔から察するに、何か特別話したいことがあるらしい。
「今、任務ニハ当たってイナイナ?」
「おう」
この普段無関心の塊のような機体が自分のこれからの予定に興味を持っている。自分でもふいに浮かんだ予感に自然に意気が高まったのが分かった。しかし、淡い期待もサウンドウェーブにかかればすぐに打ち消される。
「ナラ、オ前のコアダンプを保存させてクレ」
「は?」
2014/10/01

Documentaries about Fast Food and Diet

マクドナルドに久しぶりに行ったので、ファストフード店に興味を持ち、マック・チポトレの販促ドキュメンタリー2本と、日本でも前に話題になった『Super Size Me』の感想。
Inside: McDonald
開発に9ヶ月~4年かあ。マックも結構頑張ってるよね。日本のマックもがんばって欲しい。いつもno.2頼んでる。アメリカのマックは五ドルくらいでお腹いっぱいになるからビビる。大抵変な人がいるけど、マックは本当に身近。
それにしても、Hamburger Uってww分かりやすいけど、ダサいww 本当に巨大な企業なんだなあ。世界って規模がデカイんだと実感。
Inside: Chipotle
最後が他のフランチャイズの宣伝だったから、チポトレの販促でしかないドキュメンタリーだった(笑)いや、悪い意味じゃなく。メニューがシンプルだから社員教育も宣伝も楽って言うのとかは納得。マックが出資してたのは知らなかった。
普段食べてるファストフード店の簡素な販促ドキュメンタリーだからなかなか面白いかも。店内で順番待ちとかオーダー待ちの時に流れてたら確実にボーッと見る。
ただ、夜中に見ると空腹度がやばい。評価はまあまあって感じで、★★☆☆☆
ここで、ファストフードになれちゃった自分に警鐘を鳴らすべく、鑑賞したのがSuper Size Me (2004)
前評判ほど見ていて気持ち悪くならなかったけど、20daysくらいから表情がだらしなくなって来たのがちょっとショッキングだった。ジュースとかで糖分取りすぎで「疲れやすくなる」ってのはよくあるけど。そう言う時はプチ断食する。するとスッキリするけど……カロリーオーバーの危険性を身にしみて感じた。医者やトレーナーをつけて何か移動する時も歩数を守るあたりきっちりしてるから、なかなか信頼性はそこそこあるし。そして体を張ってんなあと賞賛。ただ、生活や人生を切り売りしてるのを見た気分にもなったけど。ガールフレンドが夜の生活について少し語った時は人の寝室覗いた気分に……。
アメリカも最近はかなり食育に力を入れ出したらしいってのは、ミシェル・オバマがプログラムをしてるって2012年のCNNのニュースでみましたが。
給食のデリで野菜のコーナーを作っても子どもたちはチップスやポテト、ピザやチョコバーばっかり選んじゃうらしい。そりゃそうだ。お菓子やスナックの方が好きだもん。ただ、そう言うのはちょっとの量で高カロリーだから、いっぱい食べちゃうんだよねえ。
自分の行ってた小学校は公立でしたけど、給食はおばさんたちが朝から作ってくれてたし、カロリーも700カロリーくらいだった気がする。(市内でも美味しい給食を食べてたってのは違う学区で教師をやってた親類から確認済み) その経験からすると、なんかかわいそうな気もする。私がアレルギー食品抜いても好き嫌いが少ないのは給食のおかげだとおもうし。家庭料理ならレシピ見なくても大抵作れるのは、内食派だった母のおかげだし。~系アメリカ人とかいるし、アイデンティティの話とかたまにするけど、その民族や国の伝統食作れないのってちょっと悲しくないか?
体を張ってるのと、編集がうまいところ、色々なデータが興味深かったのでで、★★★★☆!
他の国の人たちはなに食べてんだろうと興味深い限り。そんなこんなでAmusing Planetで紹介されてた”What I Eat: Around the World in 80 Diets”って写真集がめちゃくちゃ気になる! (URL)
▽おまけ
Super Skinny Me
ダイエットは女性の永遠の問題だって言うけど、ちょっと怖いなあ。お医者さんがついてるからまだいいけど……資本主義社会の発展と医学の進歩によって、欧米社会の価値観が全世界に広がってるのもあるよね。今や、社会の中で痩せてるってことは「私は自分をコントロール出来る有能な人間である」ってことの証明、美食ができるほどの裕福さの証明になってしまってるからなあ。あと、今はインターネットや衛星に発達で世界中にハリウッド的な美的感覚が伝播して、サモアやオーストラリアの民族に「ダイエット」っていう概念が入ってしまって、特に後者は無理なダイエットの問題が出て来てるって言うよね。
最初はハツラツとしてたけど、だんだんケイトさんの表情が暗くなってきて怖かった。あと途中で友達とご飯食べる時に「bon appétit!」って言ってて、それが皮肉のように感じて、すごく微妙な気分になった。標準身長くらいの人には0サイズ以下ってやっぱり結構痩せないと合わないんだなあ。5サイズを5週間でってペースでやるからアレなのかもだけど。
*他ブログの閉鎖を機に細々書いていたものの転載*

Some Documentaries on Netflix

An Idiot Abroad – Season #1
「旅人」のカールが字幕無いとたまに訛ってるから何言ってんだ?ってなるけど、面白い!
ホーマー・シンプソンっぽいイギリス人。すごく失礼なことを言うけど、反応がとても素直でシンプルでいい。私だったら何も言わずに我慢しちゃうけど、ズカズカ言って逃げちゃったり。番組の趣旨でもあるんだろうけどさ。中国の紙なしドアなしトイレを見て「中国ってiPodとか作ってるだろ?いろいろメイドイン中国ってどうなの!?俺ならiPodの前にロールをつける」みたいなこと言ってて面白かった。「井の中の蛙大海を知らず」のことわざを言った後に皮肉もきっちり言う。視聴者が喜ぶようなステレオタイプな伝統もあるし、ちょっと好き勝手やるところもある。ネットとかしながら見るには良い。にしても、嫌がって嫌わせるために危ない所や汚い所に連れて行き過ぎる。それでも悪態をつきまくりながらも、良いものはすぐに認める所がカールの良い所だなあ。
面白かったのが、メキシコ編でカールがずっと探し回ってたMexican jumping beansのwikiの記述にこの番組のこと書いてあって爆笑した。
カールはすぐに「Jesus Christ!」とか「fucking hell」って言うけど、後者のswear wordはボカさなくって良いのか?UKのバンドのインタビューで音声が飛ぶと「はいはい、ファックファック」って思うんだが。
The Science of Sex Appeal
今度は宗教家が堕落を誘うテンプテーションのしかも科学での証明が見たくなって。
「Oh, Helen Fisher again!」と思わず思った。この人、こういう系のには絶対出てくるもんね!知的な美人だから余計に正しく感じるというバイアス。
Ancient X-Files
S.1 EP.1だけ視聴。
バレンシア大聖堂の聖杯とミノタウロス伝説。うーん、新発見と言うよりは通説とか使って説明するちょっと劣化した世界不思議発見って感じだなあ。ギリシャ神話とか大好きだから遺跡を見れるのは良い。
てか、ミノタウロス方、視聴者に分かりやすいようにするためなのか、男の人がインディージョーンズのコスプレみたいな格好で笑っちゃった。こういうのが、海外だよね。バカにするわけじゃないんだが。ナショナルジオグラフィックチャンネルってパラマウント社かなステルスかなと訝しんだけど違って良かった。やっぱりインディーってアイコンなんだろうなあ。
あと、ナチスがめっちゃ使われてる。ナチスの宝物、聖遺物探しは全て前提なの?w
*他ブログの閉鎖を機に細々書いていたものの転載*