ベイマックス (2014)

26日に友人と見てきました。ロボものが死ぬほど好きなので、面白かった!クリスマス翌日だったので、カップルと子ども連れの家族しか居なかったw
字幕版を見てきました。
This was totally SICK!!! (No, it’s different sick, Baymax…)
丸いフォルムとPVからもドラえもん的なものをぼんやり考えていたら、なんていうか……グレンラガン?赤いし?兄貴だし?ショタだし?途中からガイナ立ちを全力で待つ大きなお友達勢でした。
Nerdちゃんたちが戦うと言ってたし、原作のマーベルから超剥離してると聞いていて、『日本向けのお涙頂戴系か~』とニヤニヤ構えていたら、アツかった。大団円なところなどがやはりディズニーなので、他のロボ好きにパシリムほど簡単に勧められない。でもベイマックスが自律型っていうのがものすごーくポイント高いです。
メインの二人以外に好きだったのは、フレッド!!可愛過ぎ!カーチェイス時の「何あのスーパーヴィランっぽいの」みたいな台詞でもう完全に間違いなくお気に入りキャラです。アメコミ好きなのもかなりポイント高い。
もとがアメコミなので、『スタン・リーおじさんのカメオまだ~?』と思いながら掃除夫とか探してたら、おいしいところ持ってった。あの目立ちがり屋なおっさんマジかわいい。
ベイマックスとヒロくんのコンビにくっそ萌えながらここ数日うだうだしてたら、タダシの日本人でもびっくりするような過保護っぽりが公式でもう一度見に行かなくてはいけなくなった。今度は吹き替えで。字幕で英語に注意してたので、正確になんて言ってた&訳されてたかあいまいなのです。
個人的には、2014年最後の伏兵でした。
(てか、正直、感動はしたものの、ベイマックスが自律って言っても情緒とかいろいろ考えてると暗い話しか思いつかないから黙ります)(公開したばっかりですし)(おすし)
これから10年位マーベル映画が毎年出るので楽しみだー!
特にデップーは絶対に見に行かなくちゃ!ケーブル出せよケーブル!
 
始まる前の「the Feast」っていうわんこのミニムービーは、可愛かったけど、あんまり好きくなかった。見てて思うのが、ただただ「高コレステロールうううう高塩分んんんん」。あんなマック&チーズとかポップコーンとかピザとかわんこさんに食べさせるのは駄目だべさ。オエエエエ。アメさんって感じ。
*他ブログの閉鎖を機に細々書いていたものの転載*

サン音でリハビリ 12/18/14

しらじらと夜が明けだし、暗闇からお互いの輪郭が浮かび上がる。センサーが暗視から切り替わったからか、さっきまで気にも留めていなかった相手の表情が気になりだす。薄明かりの中で光度調節され、ぼやけている奴の顔をまじまじと見つめ始めた。
こいつもこういう顔をするのだな。
妙に真剣な、それでいて熱っぽい顔で俺の顔を覗き込んでくるサンダークラッカーを見ていて思う。基本的に無関心で事なかれで通すこの機体がーー優しげに見えて、かなり冷たいところもあり、しかし情を捨てきれないこのちぐはぐな脳波を持つ機体がーー俺をこういう表情で見てくるという事実を俺は楽しんでもいた。
こいつのこういう一面を知っているのは俺だけだし、引き出せるのも俺だけだろう。そういう無意味な独占欲を満たしてくれる。
このキスという動作に意味を求めるほど俺は愚かではないが、こうも激しく求められると何がそうまでさせるのかと思いたくもなる。
こうされているうちには意識がどうしてもサンダークラッカーに集中してしまい、こいつの脳波に眩暈を感じる。視線が熱い。
「わりい、欲情した」
ブレインの動きが鈍り出すと、サンダークラッカーが急に我に返る。
これだからこいつは嫌なのだ。
自分の感覚や衝動に夢中になっていればいいのに、ふいに俺に気を使ったりする。こいつは結局、お人好しなのか。そんな態度で居るから、お前は損をする。自分以外は他者と割り切っている癖に。モノとして扱ってしまえば、都合がいいだろうに。俺や他の奴らのように。
そこまで考えて、俺はまた思考を切り替える。
しかしこいつにモノとして扱われて、俺はそれを許せるだろうか。
「…………」
「どう、した?」
考えこめば、すぐに察して俺の様子を伺ってくる。尋ねながらも俺の輪郭に手を添えて口づけを求め、俺の返答を発声器に留まらせる。
これだからこいつは嫌なのだ。
人の不安を無意識にか嗅ぎ取ってくる。こいつがブレインスキャンを持っていないという事実が驚きだ。
情報の変化はきっと留め置けない。しかしーー
俺は今確かにこいつが好きだし、こいつは俺が好きだ。
朝もやで不安定な視覚の中、俺は永遠を信じてみたくなった。

【サン音】確認癖8

 
 
「お前のコアダンプは、貰ったままでいいのか?」
ふいにサウンドウェーブが確認するように言い出す。その話はもう何メガサイクル前に終わったものと思っていた。
一瞬面食らうが、別に持っているのはサウンドウェーブなわけで、もう返せってものでもない。こいつが捕虜になっても俺の情報にはそんなに重要なものなんてないだろうし、そこは削除したり破壊したりとこいつがうまくやるだろう。そういう情報形態の責任云々は情報参謀のこいつの方がちゃんと分かってる。だからこそ最終確認で聞いてきたのだろう。吐き出させた時点で何を言ってやがる。
俺は苦笑い気味に返事を返した。
「いいけどよ。どうすんだ、それ?」
「……取っておけばいいこともある」
更新しなくてもいいのかという意味で質問をしたつもりだったのだが、サウンドウェーブは利用価値について聞いたと思ったらしい。その意味深な返事に好奇心が掻きたてられる。相手の出方を大人しく待っていると、サウンドウェーブが律儀に説明を始めた。そして次の発言に俺は完全に言葉を失う。
「例えば、もしお前が戦死した時には俺の慰めになるだろうし、将来的にそういう技術が発展したらいつかは作り直せないこともないだろう」
「――!」
なんてこと考え付くんだこいつは。
今度こそ、完全に、ヒューズがぶっ飛んだかと思った。じりじりと発熱する頭部に手を当てて撃沈する。
俺は相変わらず、サウンドウェーブに振り回され続けている。サウンドウェーブと話すときはいつもそうだ。驚かされ、絶句する。スパークがもたない。冷静になろうとすれば、絶対に度肝を抜かれる。
「サンダークラッカー」
いつも通りの平坦な声が俺の名前を呼ぶ。
それから当たり前のようにブレインスキャンで俺の思考を読み取ったらしい。すぐに珍しく冗談めかした様子で薄く笑った。その様子を俺はやはり嬉しいと感じてしまう。
お互い、ほとんど病気だな。こんな刺激にはいつか飽きるかって?考えてることが違いすぎる。こんなあんたに飽きっこねえよ。
てめえの欲に素直になった途端これだ。ある意味惚れ惚れする。
「ものすげえくどき文句だな」
サウンドウェーブの輪郭に手を添えると、包んだ端正な顔の口元が歪む。
「オ前も、コウイウのガ好きナンダロウ?」
分かった上で言ってやがる。あんたもそのブレインスキャンの確認癖やめたら?
口に出そうと思ったその言葉は、塞がれ、ついに発声には至らなかった。
 
 
 
 
 
 
2014/11/30 ←「良いサン音の日」!

【サン音】確認癖7

 
 
引っ張り込んだ背中でドアが閉まり、バランスを欠いたサウンドウェーブはそのドアにもたれかかる。手は――まだ握ったままだった。だが、返事はない。
「そんなに、大層なことをお前さんは俺に求めてんのか?」
沈黙したままのサウンドウェーブが少し怖くなり、思わず一歩間をつめる。それに対して、サウンドウェーブがふっと顔を上げた。
「そうだ、と言ったらどうする?」
まさか軽口に反応するとは思っていなっかた俺は度肝を抜かれる。そしてサウンドウェーブはそんな俺に追い討ちをかけた。
「お前のコアダンプを求めたのは、お前の何かが欲しかったのは認める。だが、それだけじゃない。今現在俺のことを好きであろうお前のデータが欲しかった。状況は変化するし、言語は変質する。留め置きたいと思った」
話を聞いていて、眩暈がする。
「つまり、あんたは、俺にあんたをずっと好きでいて欲しいってことか!?」
サウンドウェーブはまた俯き、返事をしない。これは肯定の沈黙だろう。
「……わりぃ、ずっとっていうのは約束できねえ」
約束してやりたいものの、次に何が起こるなんて分からねえ中では確約できない。
素直に言うと、何故かサウンドウェーブは嬉しそうに笑った気がした。
「だろうな。情報はアップデートされるものだ。変わらないといえども、『今現在』からの変化は止め置けない」
サウンドウェーブはそこまで言うとマスクを閉じ、ずっと繋いでいた手を離した。
こいつ、そんな先の可能性まで考えてたのか。俺とのこの言葉で縛っているが、よく分からん関係について。このサウンドウェーブが。
何かぞくそくとくるものがある。こう感じるのは間違ったことなのだろうし、兄弟機が聞いたら大ブーイングするだろう。しかし、
「でも正直、嬉しかったわ」
口を次いで出た言葉に、サウンドウェーブはひどく驚いたようすだった。俺はこれをどう表現していいか分からず、ただ抱きしめるようにドアに相手を押しつける。
この話の前提が、俺の性格やらを見抜いた上で、あのサウンドウェーブがここまで思い詰める程度に俺を好きでいるってことだ。嬉しく思わないわけがねえ。サウンドウェーブがスカイワープやスタースクリームの前では特に注意を払っていない気がすると思ってたが、つまりはあいつらの反応まで考えてたってことだろ。それまでこの情報参謀のブレインに俺は食い込んでいるのだ。
「なあ、俺が何したいのか、今分かるか?」
押し付けるサウンドウェーブの聴覚機に囁く。
「……冷めナイノカ。変な奴メ」
サウンドウェーブが腕の中で小さく呟いたのが聞こえた。
あんたにだけは絶対に言われたかねえ。おあいこだよ。
2014/11/29

【サン音】確認癖6

ドアの敷居をはさんで手を繋いだままどうするかの挙動を見つめていると、サウンドウェーブはマスクを開け、大げさに排気音をついた。
「……お前と居ると、エゴばかりが肥大するな」
質問した内容が帰ってこないのには、何かを説明したいのだろう。
「俺のせいなのか?」
「違う、俺が欲を処理できないだけだ。解消する手段は知っている」
「じゃあ何でそんなんになってんだ?」
それにしたって。エゴ、利己心と言われてもねえ。基本的にいつも利己的なお前さんが何を言ってんだ。そのくせ、前に俺が手前勝手を押し付けた時には喜んでたじゃねえか。
「真っ向から拒絶されるとしたら――不快だからだ」
そう言って俯く。最後はどう表現して良いのか困ったらしく、サウンドウェーブにしては拙い言葉が飛び出した。
なるほど、それなら話は分かる。意外と言うか、いやかなり、サウンドウェーブは自己中心的なところがある。自分が不快になる、自分が傷つく可能性があったら言わねえだろうなあ。サウンドウェーブはメガトロン様やデストロン軍団の体系には従順だが、自分に結局不利になるようなことには加わろうとしねえ。そういう我の強さが俺があんまり持ってねえところだ。だから羨ましくもあるんだけどよ。こいつの言う俺の人に流される癖ってのは、こういう性格の違いなのかもしれねえ。
こいつの人の頭ん中を覗ける能力がどれくらいのもんかはしらねえが、多分読めるのは何かの反応だったりその時考えてることだけなんだろう。だから自分から何か言い出さないと俺のブレインに出てこねえこともある。だから分からなかったのだろう。
俺に対しての信用が無かったと考えると、俺も『不快』だ。でも、こいつには以前『心配しないでように、証明し続けてやる』と言っちまったしな。サウンドウェーブが何考えんてんのか知ろうと思うだけで、特に何かしようとはしなかったしよ。俺もこいつも、受け止められるか、相手が分からないからなんて考えてねえで行動しなきゃいけねえ。無理だったら無理って言うし、そうやってなんだかんだは手探りしていけばいい。
「サウンドウェーブ、お前は俺が望めばって言ったけどよ。あんたは俺に何を望むんだ?俺が不安になるのは、いつもお前さんが俺にどうあって欲しいのか、あんたかが何をしたいのか分からねえからだ。俺だってあんたが望みさえすれば、他の奴らの前で俺があんたのもんだって見せつけてやってもいい。俺は、あんたが思ってる以上にあんたが好きだってことはもう吹っ切れてんだよ。これは俺自身が考えてることだ。今はあいつらも居ねえし、こればっかりあんたの意見でもねえ。そうだろ?」
分からなきゃ、俺が分かるまで話してくれ。だから、諦めるのはやった後にしてほしい。あんた、俺が分かんなくても良いって思ってただろ。
そうブレインの中で言葉を作り上げると、手の中でサウンドウェーブの指がかすかに動く。俺はそれを合図に、ついにその腕を手繰ってサウンドウェーブを引っ張り込んだ。
2014/11/28