Superheroes: A Never-Ending Battle (2013)

最初の感想はただただ「MARVELやDCの良い宣伝だな~」でした。
(私がTF好きなので、IDWとかが出なかったからという理由もありますが……)(話変わりますが、Netflixって、MARVEL系強くないですか?)
閑話休題。
アメコミって歴史が反映されてて、ひとつの文化的意味合いもあって面白いです。マッチョイズムとかフェミニズムとか戦争とかプロパガンダ云々って議題は難しいのでコメントすることは出来ませんが、やはり残っているってのは、時代に合わせてきたってことなのでしょう。”We should represent the world”だっけ?
昨今ではゲイのX-menとか出てきて結婚したりしてますもんね。黒人ヒーローのブラックパンサーが今度映画化っていうのも気になります。スパイディを今度は黒人の俳優さんが演じるなんて噂もありますし……。
(てか、ここから先10年、MARVELは映画出しすぎかな??破産しちゃう)(デップー楽しみ)
このドキュメンタリーの中では、アメコミの描き手の人権にも触れられているのが興味深いです。クリエイティブなものにはお金を払うべき!という考えが今でこそ当たり前ですが、『スーパーマン』創作者のふたりの話には考えるモノがありました。
また、コミック倫理シールの話もあって、発言の自由と公共の福祉の問題も気になるところでした。今でももめる問題です。リアル焚書坑儒状態にちょっと笑いましたが、日本の墨塗りとかわらんですね……。今まで与えられてたものが取り上げられていかんと言われるのはどういう気分だったのだろう。
あと、 ダークヒーローや完璧じゃない欠陥のあるヒーローの話。またテコ入れの入れ方。キャラづくり、ストーリーづくりの参考として興味深かったです。誰もが知っている人気のキャラをさくっと殺す。確かに注目はあつまりますわ。そしてキャップ誕生のくだりで「良いアイデアなら8回まで」ってジョー・サイモンが言ってたので、またこういうショックなのもいつかあるんだろう。TFだと色んなバースでコンボイ司令官が何度も死んでますが、初回の『コンボイが死んだキャンペーン』は結構画期的だったのでしょうか。気になります。
個人的に一番笑ったのは、「サイドキックはいらね(要約)」ってくだり。大人のアメコミ好きな人は結構こういうこと言う人多いイメージ。私の親父殿はホットイでジョーカーのフィギュア買ったりと『バットマン』大ファンなのですが、 妙にロビンを毛嫌いしている。ブロマンスが妙な方向に言ってるからだとかなんとか。あと、スパゲッティ・ウェブのくだり面白すぎ。先ほど、時代に合わせて たアクションも大事だけど、描いてる人たちが面白いから残ったんだってはっきり分かる。ジム・ステランコのフューリーかっこよすぎてポスターとか欲しくなった。
 
(点数をつけるなら80点!)
*他ブログの閉鎖を機に細々書いていたものの転載*

初代ホイラチェ・5

 
 
「まさかこのマシンもこんな形で日の目を見るとは」
ヘッドギアを頭にはめて計器の安定と質問を待ちながら、ひとりごちる。
サイコプローブやなんかほど野蛮じゃないけれど、その分威力の方はイマイチで、使いようが少なくて可哀想なことをした。やはり少し毒気があるほうが吾輩好みではあるし、色々なことに使い勝手が効く。マシンの強力さは使いこなせない時や制御できない時に害になる諸刃の剣ではあるが、強い方がなにかと便利だ。試作は例外として、強いものの方が力の幅が利く。それが分かっているから、完成してもなお無理に改造を重ねてしまうのだが。『毒にもなるが薬にもなる』なら、あえて毒も試しに飲まねばならない。
でも、このマシンにしろ、何が必要になるか分からないから長く生きるとは面白い。単純な構造だから吾輩ではない誰かが作れるものではあるが、無いと困る者もいるのだ。愛着が湧けば、『これじゃなきゃダメだ』というものになる時だってある。簡単に代替や取り換えが出来るモノは意外と少ないのだ。
「自分で始めててなんだけど、心理実験っていうより心理テストみたいだよねえ」
まあ、初めての試みだし、専門からは外れるのだからこのレベルか。
こう何も出来ない状態を強制させられると、ぐちゃぐちゃと色々なことを考えてしまう。
先ほど妙にぼんやりとしていたラチェット君の気持ちも分からなくもない。そんな彼も今は先ほどの結果を打ち出したものを食い入るように読んでいる。ホイスト君も答える時はぼんやりとしていたように見えた。ラチェット君もホイスト君もいつも多忙だからなあ。いざゆっくりするとなると、ああもなるのだろう。
何かとあのふたりには、みんなお世話になっている。デストロンと戦った時の修理はもちろんとして、日々の健康は細やかな補修サポートによって成り立つ。ホイスト君も惚れ薬に興味があるようだったが、彼も誰か気になる人でもいるのだろうか。なんとなく思い浮かぶ相手としては――
そこまで考えてやれやれと自分で思う。
「好きな、ねえ」
吾輩もゴシップ精神にやられてしまったようだ。しかし吾輩とて、ひと様のプライバシーに首を突っ込むのが面白いと全く思わないと言ったら嘘になるのだ。
それしても、ホイスト君の場合はすぐに相手がうかんだのに対し、ラチェット君の相手は先ほども思い浮かばなかった。彼こそ修理で一番他の機体に接触する相手が多いのに、だ。患者に皮肉や小言を言ったりはするが、腕は確かで、どんな傷でも治そうと最善を尽くしてくれる。本人は気づいてもいないが、あれでなかなか慕われている。……なるほど、選択肢が多すぎるからだろうか?それに、吾輩が彼と出会った時点からあまり恋だの愛だのに熱をあげた姿を見たことがない。吾輩のことを『慣れていない』と言うくらいだから、吾輩の気がつかないところで何かあるのかもしれない。
こっそりとホイスト君と並んだラチェット君を盗み見る。途端、ホイスト君が笑い声をあげた。
「何を想像したんだ?今、すごい数値が伸びたぞ」
冗談めかして笑うホイスト君に、ラチェット君も画面を覗き込む。
しまった、もう実験は始まっていたらしい。まさか。何の質問にせよ、まだ想像もしていない。驚いた吾輩を、ホイスト君はデータの正確性への疑問か何かと勘違いしたらしい。ほら、とデータをまじまじと見せてくる。
確かに、大きく脳波のグラフが振れている。
「吾輩、まだ想像もしていないのだがね。というか、ボーっとしていたから質問さえも聞いてなかった」
「何だって?」
今度はホイスト君が驚いたようだった。
「うーん、計器の故障かね。微調整が上手くいっていなかったか」
ヘッドギアを外し、手元で見直す。回路部を見てみるが、何か目に見えておかしくなっているところはない。出力ケーブルは新品だから中で導線が切れているはずもない。画面に近寄り、もう一度頭部につけなおす。
そこで先ほどから、自分の実験データを手に黙りこくっていたラチェット君もやっと声を上げた。
「実は私もさっきの実験でぼんやりしてしまって、こんなに一番最初の質問にはっきり脳波が出るはずがないんだが」
「どうなってるんだ?でも、俺のデータもラチェットのも、過去の心理実験のデータとは合致するけどなあ。」
二人が話し合いに突入する傍ら、交互に好きなもの・嫌いなものを想像して簡易的に自分の脳波をチェックする。
「好きなもの……嫌いなもの……ほら、正常に動いてる。やはり異常はないみたいだ」
さっきはただ、ホイスト君たちのほうを見ただけだ。そう、ラチェット君の思い人について考えていてラチェット君を――
その瞬間、針が大きく振れる。
「なんだ、ホイルジャック。やっぱり、こんな数値が出るくらい好きなものがあっただけじゃないか。妬けるね」
ホイスト君があっけらかんと笑った。またベッドチェアに戻るように促される。ラチェット君はまだ自分の結果が気に入らないらしく、さっきのようにその目は手元のデバイスに表示されるデータに移っている。ホイスト君は出力画面の前に座りなおす。
「じゃあ、もう一回最初から聞くよ?好きなものを想像してください
マスクをつけていてよかった。今、見せたこともないような表情をしているだろう。いつだって見通されているんだ。ラチェット君になら、ばれてしまう。
ラチェット君。そう考えたときに自分の機熱が上がるのが分かった。
さっきの係数が何を意味するのかは、この測定器を作った吾輩が一番知っている。
なんてこった。
「――よし、大丈夫だな」
ホイスト君が『ちゃんと正常に動いている』と手を振って見せる。
計器に異常はない。吾輩もオールグリーンだ。つまりそれが意味することは。
「……なんてこった」
思わずこぼした言葉は、ふたりの聴覚センサーには届かず、自分にだけ響いた。
2015/3/9

初代ホイラチェ・4

 
 
出て行った司令官の背中を見送り、入り口に向けていた視線を戻すと、吾輩の言った通りだろうとホイルジャックがこちらに振り返り笑った。確かにコンボイ司令官らしい。そう思い、微笑み返す。
しかし、内心は少し戸惑っていた。司令官に説明する時、うっかりホイルジャックが何かさっきのことを少しでも漏らさないかと思いはしたが、そんなことは全くなかった。が、今になって恥ずかしくなってきている私としては、どうしようもないフラストレーションが解消されずにもやもやし始めている。
『口説き文句』のようなものをこのホイルジャックが冗談にしても私に言ったのだ。まあ、司令官に何かさっきの台詞を聞かれて意味を問われでもしたら困るのだが。困る?いや。たとえ聞かれてもただの友人同士の他愛無い冗談ではあるし、傍から聞いていたら大したことはないのだが……
『例えばの話にしろ、もっとうまい事言おうと思ったんだが。こういう文句は思いつかないもんだね』
この言葉が、私には問題で、大したことがあるからこうもすっきりしない。
その一方で、ホイルジャックは早速実験の準備を喜々として始めている。ラボの奥で何かごそごそと探す音がする。もやもやはするけれど、そろそろ私も手伝わなくては。
「ホイルジャック!」
ちょうど立ち上がったところで、ホイストがラボ入って来た。
「お、いきなりどうしたんや?」
「いや、さっきホイルジャックが惚れ薬を作るんじゃないかって聞いたんでね」
また話の始まりが伝聞調だ。コンボイ司令官にしろ、今日は何かの噂を聞きつけて研究室に飛び込んで来る者が多く、なんだかせわしない。
そのせいかひどく心がざわついてしまう。
「ああ、それね。今ちょうどおじゃんになったところさね」
「どうして?」
「それがいろいろあって……長い話でねえ。とにかく、コンボイ司令官にノーと言われたんだ。しかし、代わりに実験をする許可は貰ってるんでね」
いやあ、ちょうど良いタイミングに来てくれた。ホイルジャックがそうにんまりした。
ああ、唖然とするホイストが可哀想だ。答えになっていない。しかし計器を腕に、そう嬉しそうにされては二の句が継げない。
とりあえずはホイルジャックを放っておいて、ホイストを近くに呼び寄せて説明する。ホイルジャックがその発明をなげてしまったこと。コンボイ司令官の意にも沿わなかったこと。しかし実験はしたいという希望はどうにか通ったこと。そこまで話して、やっとホイストも合点がいったようだった。
多分、こうも噂として広まってしまうと発明品を見せても誰も驚かないのが嫌だとへそを曲げてもいる部分もあるのだろうとは思う。
そうこうするうちに診察用のベッドチェアが引っ張り出された。
「まずは、ラチェット君からやってみようか」
ぽんと脳波の測定器を頭に置かれ、椅子に座るように促される。そのまま引っ張られるままに腰をつけ、すかさず指先やらに計器をはめられる。
この人は、何気なく触れるのだな。と私の手に自分の手に重ねて細かい操作を教えようとするホイルジャックを横から見て思う。
付き合いは長い。自分のリペアを頼めるほどの仲だ。ホイルジャックは自分のことを私が「今まで一番修理しなくちゃいけなかったやつ」だとよくおちゃらけているが、実際この発明家の装甲の下のほとんどについての私は知っている。だが、あの時みたいに触ったことはあったか?
『だから君がもし、吾輩がこのエネルゴンに惚れ薬を盛ったって信じるなら、それは惚れ薬になるって思わんかね?』
彼の中身は知っている。しかし、中身のナカミまでは知らない。そこで妙な欲求が発生する。触れてみたい。修理やら作業ではなく、もっと――
「……ラチェット君、吾輩の話聞いてた?」
説明を途中から何も聞いていなかった。 ホイルジャックが心配そうにこちらを見ている。その横に居るホイストもこちらを覗き込んでいた。
いけない。完全に自分の世界に入っていた。
「ああ、すまない。大丈夫だ」
「じゃあ、いっちょ最初の質問をするからね!」
そう言って二人は出力画面の方に向かう。
「じゃあ、ホイスト君。この質問群を読み上げてちょうだい」
「オッケイ」
でも、触れるくらいに何の問題があるのか。純粋な興味だ。
あの時点では漠然としたイメージしか抱いていなかった。もし、ホイルジャックが持ったとしたら。
「まず、好きなものを想像してください」
『それが好きな相手だったら?』
いや、私は別に彼が好きなわけではないはずなのだが。友情以上に何を感じているのか。修理時の接触や普段の何気ないスキンシップ程度なら、このホイストとももちろん交わす。日々の補修のために単純な接触ならホイストとの方が多い。私は軍医としてほかのみんなとももちろん触れる機会が多い。
何が自分にとって問題なのだろう。
『飲むかい?』
ホイルジャックが万が一、私に惚れ薬を盛ったのを知っていて私は飲むのか?
記憶回路のホイルジャックの問いに答えを出す前に、現実のホイルジャックは次の質問を尋ねるように促した。
2015/3/8

しょたクラ音波 (R-18) 後編

今日のしょたクラ音波のお題は、『ダメだけど、イヤじゃない』『好きなように、されたいんだ』『うそでもいい』です。
【あらすじ】全編の最後、音波さんの色気のないぶっきらぼうな「おいで」の後の話。
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しょたクラ音波 (R-18) 前編

今日のしょたクラ音波のお題は、『ダメだけど、イヤじゃない』『好きなように、されたいんだ』『うそでもいい』です。
【あらすじ】前回のサンクラしょたんぱから一転、サンクラさんがショタクラにトランスフォーム。前回可愛がられたので、音波さんがお返ししてくれることに――
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(おに)ショタおになので、若干表現やらが男性向けかもしれません。長くなったので、前半後半に分けました。
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